第108回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞で、「コントが始まる」(日本テレビ系)で中浜里穂子を演じた有村架純が助演女優賞を獲得。主人公らお笑いトリオ・マクベスの“ガチファン”を演じ、「推しがいる人なら共感できるリアルな演技」と評価された。受賞インタビューでは、里穂子役への思いや演じる上での難しさを語ってくれた。
――特に審査員、TV記者から多くの票が集まり、初の助演女優賞に選出されました。今作で受賞へのお気持ちをお聞かせください。
キャスト、スタッフ全員の熱量に、自分も刺激を受け、いい風がたくさん吹いていた現場に身を置けたことが幸運だったと感じています。
――投票では、「とてつもなくナチュラル」「流れるような自然な会話」「この年代の女の子の『曖昧さ』が表現されていた」と、自然な演技に感動する声が多くあがりました。里穂子を演じるうえで、特に意識したところや、難しかったところを教えてください。
脚本の金子茂樹さんが作り出す世界を、自分がどう表現できるか常に考えていました。里穂子のセリフは肝になることも多々ありましたので、押し付けがましくなく、流れることなくのバランスが難しかったです。第3話の長ゼリフはテストなしの一発撮りだったので、緊張で手も顔も震えていました。まさか酔っぱらいの芝居をするなんて思いも寄らず、金子さんには新しい扉を開いてもらいました。
――「芸人を応援するオタク感がとてもよかった」「ディープなお笑いファンぶりが新鮮」と、マクベスのファンぶりも好評でした。役作りではどのようなことを意識されましたか。
里穂子がそもそもなぜ、マクベスを好きになったか、そのバックボーンはプロデューサーさんとよく話し合い、土台を作りました。真面目に生きている人が損をする、真面目に生きているだけなのに何かがかみ合わない、そういった社会の生きづらさを抱えていることはとても重要でした。オタクを演じようとは全く思っておらず、彼女の真っすぐさからあのような里穂子になりました。
――改めて、これまで多くの作品に携わられている有村さんにとって、「コントが始まる」はどのような作品となりましたでしょうか?
人生の岐路に立ったときに必ず思い出す作品になると実感しています。また一つ宝物が増えました。