――「僕らが殺した、最愛のキミ」は、いろんな要素が入った作品になりましたね。
見たことがあるようで、実はこれまでにあまりないタイプの作品だと思います。密室とかサスペンスとかだけでなく、そこにリアルな恋愛が絡んでくるというところがすごく面白いなって思いました。最初に台本を頂いた時は、“誰が死ぬ”とか“誰が犯人”とか全く分からない状況だったので、演じる側の私も先が気になりましたし、視聴者の方も楽しく見てくれそうな作品だなって思いました。
――これまでに共演経験のある方も。
高橋文哉くんは「仮面ライダーゼロワン」で一緒でしたし、鈴木仁くんと大原優乃ちゃんも映画「4月の君、スピカ。」で共演しているので、本当に同窓会って感じでした(笑)。撮影は体力的に大変だったシーンも多かったんですけど、いい意味での遠慮がなくて、割とぶつかっていけたので助かりました。
――先が見えない展開で演じるのはどういう気持ちですか?
放送期間が長いということもありますけど、「仮面ライダーゼロワン」も先が分からないまま、頂いた台本に沿って進んでいったので、そこは変わらない感じでした。でも、今回は何かしら黒幕が最初からいるので、「それは誰なのか?」と疑いながら演じていくわけです。もし自分だったら、台本通りに演じていって、結末が分かる台本を頂いた時につじつまが合うのか?という不安はありました。
でも、スタッフさんに「自分が思った通りに、目の前の台本に向き合っていれば大丈夫だから」って言ってもらえたことで、“楽しんでやろう”と思って、後半のまだ頂いていない台本を想像しながら、演じることを楽しんでいました。先が見えないことによって、私たちも自分の役についてより考えるようになっていて、「少しでもヒントがないかな?」という感じで、みんなが各々の役をすごく深読みできたので、その点ではありがたかったなって思います(笑)。
――演じる吉村梨奈はどんな人物ですか?
梨奈は、高橋さん演じる零と4年ぐらい付き合っている女の子で、お姉さん気質で、結構周りのことが見えていて、基本的に平和主義者のような子です。ちょっと抜けている零を支えるような関係性でもあったので、普段からみんなの顔色をうかがい、みんなのことをよく見つつ、困っている人とか大変そうな人がいたら手を差し伸べることができるようにアンテナを張っておこうという感じでした。
――井桁さん自身と梨奈の共通点を教えてください。
争い事が好きじゃなくて平和主義、何事も穏便に過ごしたいというところは似てるんじゃないかと思います。
――演じる上で気を付けていたことは?
密室の中に閉じ込められた時、今までは感情を出すのが苦手だったというか、周りを見ていた梨奈がどう変わっていくのか、ということを意識して演じました。
――閉じ込められる7人のうち、女性は梨奈と大原優乃さんが演じる明日香だけですね。
女子が二人しかいなかったので、最初から仲良くさせてもらってたんですけど、役の関係性は物語の中で悪くなっていくんです。こんなにかわいい優乃ちゃんが私にすごい罵声を浴びせてくるシーンがあって(笑)、それが本当にツラくて、疑心暗鬼になるくらい怖かったですね。そういった女性同士のドロドロした感じもある作品です(笑)。
――タイトルにちなんで、井桁さんにとっての“最愛のもの”は?
やっぱり「両親」ですね。ずっと応援してくれていて、「辞めたくなったら帰っておいで」とも言ってくれるので。そう言ってもらえるからこそ、「もっと頑張ろう!」って思えるし、「キツくても、もうちょっと頑張ってみよう」という気持ちになれるので、家族がいるからこの仕事を続けられていると思っています。