明確な“リアル”と直結するダイエットは「自分の中での優勝が決まってるゲーム」
――古川さんの中では、「ダイエットはゲーム」という感覚もあったのですね。
そうですね。クイズもカラオケも広義でゲームだと思ってます。たとえば、カラオケの採点は、本来的に歌の上手い下手という容易に測れないものを、無理やり点数化しているわけですよね。クイズだってそうです。知識をどれだけ持ってるかなんて、簡単に測れるものじゃないんですが、たまたま出題された問題を早押しで答えられるかどうかで、勝者は賢く物知り!という風に見えたりするゲームなんです。でも、ダイエットは「何を何グラム食べればどれくらい痩せるか」という、明確な“リアル”と直結しています。リアルの能力を得点化するゲームを散々やってきた僕からすると、1番ゲーム性があるし、めちゃめちゃ腑に落ちるんです。ダイエットは自分のベストさえ尽くせば必ずクリアするように設計されている、絶対に自分の中での優勝が決まってるゲームです。
――ご自身のダイエットの経験について書かれた著書「クイズ王式ダイエット」が先日発売されました。この本はどういった内容になっていますか?
ダイエット理論は基本的に医学的エビデンスに基づくものなので、お医者さんではない限り、新たな発見はできません。ということで今回の本では、世の中に溢れるダイエットの情報を僕なりに取捨選択・体系化し、実践した上でわかりやすく伝える内容となっています。このダイエット本を通して、痩せるのはもちろん、痩せた後も目標達成できるようなマインドを手に入れてくれたらうれしいですね。
ダイエットでビジュアルも大幅変化「呪縛から解放された」、自分らしさは「今と昔で変わらない」
――そういった意味では、古川さんはお痩せになられただけでなく、ビジュアルもガラリと変わりました。
太っていた20年間を振り返ると、僕はずっと「いい服を着たところで太っているしな…」「髪型を整えたところで太ってるしな…」と、“オシャレをしてはいけない呪縛”に取り憑かれていました。だからこそ、大幅に痩せて呪縛から解放された時、その瞬間の生まれ変わった自分を写真に収めて、一つの記念碑としたかったんです。変化したことを明確に世間に示したかったし、何よりも僕に見せてあげたかった。「目標達成して、あなたは変わりましたよ。今までできなかったこともできています。なぜならメガネをかけていないし、髪の毛だってオレンジじゃないですか」と、自分自身に一番に知らせたかったんです。そんなわけで、ダイエット開始後に目標として定めた64kgになった日に家を飛び出して、美容院で髪を染め、コンタクトを買いに行ったというわけです。
――古川さんにとって、太っていた時の自分と痩せた今の自分、どちらがより自分らしいと思いますか?
“僕らしさ”は、クイズ番組で初優勝した高校生の頃には既に完成されていると思います。なので、“らしさ”は、今と昔で変わらないですが、その時々で自分の人生を成立させてきた気がするんです。これまで20年間、太ってても成立する人生を歩めるように、クイズが強いとか、テレビに呼んで頂いたらちゃんと受け答えするとか、僕なりに武器を増やすように努めてきました。「太ってるけどこれができるから許される」という人生ハードモード用に蓄えてきた能力とかを、今太ってない僕がようやく使えるターンなのかなと思っています。ハードモード用に揃えた装備品を、ノーマルモードでもそのまま装着できるような感覚に近いかもしれませんね。