櫻井孝宏が初のエッセイ集で原稿と格闘…!『自分を語るうえで両親の存在は大きいですし、切り離せない』<Interview前編>
「しゃらくさいことやっていますよね(笑)」
――エッセイ集のタイトル「47歳、まだまだボウヤ」に込められた思いを教えてください。
エッセイを読んだら「タイトルそのまんまだな」と感じると思うんですけれど、世間的に47歳というと50歳を手前にしたいいおじさんなんです。でも、今回一冊にまとまって思うんですけれど、軌跡も頼りなかったり、感覚も子どもっぽかったりするんですよね。
“おじさんの視点”で書いているだけであって、中身が子どもというよりは“ボウヤ”…それもカタカナ。文字から受ける印象もあると思うんですけれど、その辺りをうまく形にして、タイトルに落とし込んでいるなと思いました。(※タイトルは編集担当の川戸さんが命名)
――故郷・岡崎での書き下ろしでも櫻井さんのお名前や学校名がカタカナになっていました。そこにもやはりこだわりがあったのでしょうか?
書いていくうちに残った要素でもあるんですけれど、連載のタイトルが「ロールプレイング眼鏡」なので、3人のパーティーでショートトリップに出たということをロールプレイングゲームみたいに表現したかったんです。(※執筆取材は櫻井、川戸さん、カメラマンの3人で行われた)
漢字にするとどうしても立体感が出るのでより記号っぽく、内容も内容なのでちょっとオブラートに包みつつ、いろいろな狙いがあってカタカナにしました。
――他にもこだわった点や執筆するうえで意識されたことはありますか?
「リズムにこだわっているよね」と指摘されたことはありますね。言われて「あ、そうなのか」と思ったので、自分では気づいていない感覚だったんですけれど、改めて読んでみると言わんとしていることは分かるなって。
書いている時に、「このフレーズもう少し短くできないかな」「こっちの言葉でも正確に伝わるけれど、読み心地はこっちのがいいな」と直している部分があったので、それがリズム感につながっているのかも知れないです。
――韻を踏んでいるような部分もありますよね。
思いついたから書きたくなったという、その程度なんですけれどしゃらくさいことやっていますよね(笑)。職業柄なのか、ダジャレや言葉遊びみたいなのはパッと思いついたりするので、うまく生かせそうだなと思ったら書いています。