1979 年に放送されたテレビスペシャル「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」をモチーフに、全二章で描く「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ最新作『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち前章 -TAKE OFF-』。今回、現在劇場上映中の本作の鍵を握る新キャラクター・土門竜介役の畠中祐にインタビューを行い、作品への思いを聞いた。
――出演が決まった際の気持ちをお聞かせください。
「オーディションで役をいただいたのですが、純粋に嬉しかったですね。ただ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズは、僕が生まれる前から続いている、すごく歴史のある長い作品で、しかも僕が演じる土門は、旧シリーズにも登場していたキャラクターということもあり、どういうふうに土門像を作り上げていけばいいのか、といったプレッシャーも感じました」
――「宇宙戦艦ヤマト」に対して、どんな印象を抱いていましたか?
「1970年代からスタートして、日本のアニメーションに革新的な影響を及ぼした作品だとは知っていたのですが、具体的なことはよく分かっていなかったんです。でも、リメイクシリーズも含めて、骨太なテーマを強く感じました。『重要な選択を迫られた時にどちらを選ぶのか』『どのように誰かを愛していくのか』といった普遍的なテーマに真っ正面からぶつかっていく作品で、本当にすごいなと思いました」
――土門竜介の魅力と、ご自身との共通点をお聞かせください。
「彼の魅力は、何よりも揺れているところだと思います。彼が背負っている過去はとても重くて、ヤマトや古代に対して、すごく複雑な感情を抱いています。共通点は、ヤマトに答えを探しに来た彼の迷いや不安定さ、もがきながら何かを見つけていこうとする、胸の奥にあるガッツは、すごく共感できるところがありました。常に揺れていて、定まっていなくて、でも素直にそこを表現できるところは、僕との共通点だと思います」
――声優業界初の本格レーシングチーム「VART」への参加など、畠中さんも土門のようにさまざまなことにチャレンジされていますね。
「車の運転は本当に楽しいです。マニュアル車の免許を取得して、本当に良かったと思います。オートマのありがたみも分かりますし、マニュアル車の挙動も愛おしいですし。でも、シーズン2から参加の『BLACK VART』の皆さんは、オートマ車オンリーなのでずるいですよね(笑)。しかも、古代進役の小野大輔さんも免許取って間もないんですけど、再取得ということでパワーバランスがちょっと...(笑)。でも、アフレコと同じようにカーレースでも負けないよう、頑張って戦いたいと思います」
――さらに即興劇「AD-LIVE」への参加など、新しいフィールドの仕事にも積極的に挑まれていますね。
「基本的にはどんなお仕事も全部チャレンジだと思っていますが、今までやったことのないことに挑んでいく姿勢は、これからも持っていたいですね。でも、新しいことはもちろん、いろいろな先輩方に教わったことや軸となるお芝居は、常に勉強していかなければいけないですし、これからも頑張っていきたいと思います」
――本作を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
「ヤマトを知らない世代には、『ヤマトって結局、何なんだ!?』という方もたくさんいらっしゃると思います。でも、映画館でヤマトを体感した時に、ものすごく胸が熱くなる経験ができると思います。僕自身、ヤマトの熱がすごく好きなので、その熱さを本作でぜひ感じていただきたいです」
文=中村実香 撮影=永田正雄