荒牧慶彦、崎山つばさ、和田雅成ら2.5次元舞台を中心に圧倒的な輝きを放つ俳優が結集し、売れないお笑い芸人たちを演じるドラマ「あいつが上手で下手が僕で」。毎週水曜深夜0:59〜日本テレビ、毎週土曜深夜0:58〜読売テレビで放送されるTVドラマに続き、舞台化も決定している注目作だ。
そんな本作でお笑いコンビ「アマゲン」を演じるのが、陳内将と梅津瑞樹の2人。陳内は劇場の最年長で気のいいツッコミ担当・現多英一を、梅津はクールで無表情なボケ担当・天野守を演じている。
今回、陳内と梅津にインタビューを行い、作品にかける思いを聞いた。
――作品について聞いた際の第一印象と、相方がお互いだと知った時のご感想をお聞かせください。
梅津瑞樹「ドラマというものに初出演だったので、さらにその続きに舞台が待っていると聞いて、なんて言うんでしょう。肉盛り定食みたいな...(笑)」
陳内将「(笑)」
梅津「やり応えのあるお話だなと思いました。そして相方が陳さんだと聞いた時は、本当にうれしくて。『一体全体、どんなコンビになるんだろうな』と思って蓋を開けてみたら、何かちょっと毛色の違うというか(笑)。ちょっと異色な感じだったので『これはこれで楽しいな』と思っていたら、あっという間に撮影まで終わってしまっていました。舞台の方は、まだどうなるかわからないですが、今から楽しみにしています」
陳内「最初、漠然とまっきーをはじめとする2.5次元俳優が出演するドラマで芸人さんの役といった感じで聞いていて、『あっ、やった!』って思ったんです。僕、そもそも学生時代から芸人さんという存在にすごく憧れていたんですよ。なので『ついに念願叶って芸人さんの役がやれる!』というところで、『相方は誰になるんですか?』と聞いた時は、まだ全然わからなかったんですね。そんな中で、梅ちゃんが相方だと判明した時は、もう秒でメッセージ送って(笑)。もう8秒くらいで『梅ちゃん、相方よろしく!』って連絡して。その時から僕は、期待というよりも、もう安心感と『梅ちゃんとやれる、やった!』という喜びが大きくて」
――このドラマの中で、一番最初にコントを披露するコンビが「アマゲン」です。
陳内「アマゲンはトップバッターなんですよ。だから、梅ちゃんに『アマゲンはいつもトップバッターだから頑張ろう!』ってメッセージを送ったら、返信が来ませんでした」
梅津「(爆笑) その時は僕、必死になって練習していました。時間がなかったので...」
陳内「でも、僕らは監督から『コントの練習しないで』って言われたんです。僕ら、台本の読み合わせをリモートでやったにもかかわらず、『ちょっと達者すぎるからオーバーに表現してもいいので下手にして』と言われまして。なので、めっちゃ気が楽でした」
梅津「その時は、僕が演じる天野守のキャラ設定が確定していなかったんです。その後、全話の台本が届いて、ああいったキャラクターになっていました(笑)」
――互いの第一印象をお聞かせいただけますか?
陳内「4年前の、舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星(プラネット)」で初共演でしたね」
梅津「僕にとっては客演で来ていただいたカッコいい方という印象でした。僕はアンサンブルで出演していたので、メインキャストの方にグイグイ行くのもないな、という意識があったんですけど(笑)、陳さんはすごく誰にでも優しく、フランクに接してくださって、『すごく優しい方だな』と思いました」
陳内「僕は、梅ちゃんが劇団員ということを知らない状態で出会ったので、『あれ?アンサンブルの中にイケメンおるぞ』と(笑)。当時、僕が『端正な顔立ちと抜群のスタイルは2.5次元舞台に合う』みたいなことを言ったらしく。僕はそのことを忘れてしまっていたんですけど、梅ちゃんはちゃんと覚えていてくれて、今ではこうして共演することができて、すごくうれしいですね」
梅津「役者としていろいろ悩んでいた時期で、部屋で一緒に飲んでいる時にそういった話になって。こうしてご一緒させていただけるようになって、あの日のことが思い返されますね」
――最後に、放送を楽しみにされている視聴者の皆様へメッセージをお願いします。
梅津「なかなか『眠たいよ』という時間帯に放送されるので、見ていただければ目が覚めて、翌日のお仕事におそらく支障が出るかもしれません(笑)。それくらいおもしろい作品になっていると思うので、毎週楽しみにしていただければと思っております」
陳内「僕は高校生の時に陸上部の友達と漫才コンビを組もうとしていて、進路指導の先生から否定されて。そいつと関西に出てNSC(吉本総合芸能学院)に入るという夢は泣く泣くあきらめたんですけれども、それがまわりまわって十数年の時を経て、こういう形で夢が実現しました。そういった意味でも僕にとって思い入れのある役、作品です。この作品を通して、今、やりたいことがあっても挫折しそうな方を元気づけられたらと思っています。まだあきらめるのは早いかもしれないので、僕らの姿から力をもらってくだされば幸いです」
文・撮影=中村実香