毎日を楽しく過ごすためのルーティン「珍しいことはしていない」
――角野さんが身に着けていらっしゃるカラフルなお洋服や小物がとても素敵です。
少女時代、父は私におしとやかで上品なものを着せたがっていました。そのため紺や黒といった落ち着いた色の洋服を着ることが多かったんですね。
ですが、本を書きはじめてしばらくしてから、赤い洋服を着て出掛けたことがありました。そうしたら「すごくよく似合う」と周りから言っていただけて。さらに、眼鏡をかけるようになって、眼鏡もカラフルにしたいと思うようになり、そこからだんだんと自分というものが形作られていったような気がしています。この頃は娘の若いセンスにも助けられて、86歳のクローゼットは一層カラフルになってきました。
――毎日を楽しく過ごすためのルーティンを教えてください。
そんな珍しいことはしていないですよ。朝ご飯を食べて、机に向かって仕事して、途中でお昼ご飯をいただいて。夜になったらテレビを見ることが多いです。このご時世ですからなかなか外も出歩けないので、「家の中で毎日ラジオ体操第一・第二をやる」というルールを自分に課しています。あと、私が暮らしている鎌倉は海がとても美しいので、海まで散歩に行くこともあります。夕陽を見たり、波の音を聞いたり、とても気持ちが安らぎますね。
――放送では今回も宮崎あおいさんが角野作品を朗読されますね。
シックでしっとりとした声で、聞いているととても落ち着きます。朗読というのはとても難しいと思うのですが、何回も作品を読んで理解した上で朗読をしてくださっているのかなと思います。
角野のカラフルな暮らしと、そこから生まれる作品の魅力を伝える同番組。角野が紹介する“とっておきのトマトソース”や、“恋バナ”も飛び出す上白石との65歳差トークも必見である。
※宮崎あおいの「崎」は正しくは「立つさき」