ジリジリと恐怖が加速し…
「コールセンター=電話」。電話が大きな役割を担う名作ホラー映画はたくさんある。そのため筆者は、追い込まれた場面で突然着信音が響くパターンか?それとも、電話の内容で怖がらせるパターンか?と考えてしまっていた。
実際、「くるぞくるぞ…」と覚悟する場面があったのだが、ここは現代のコールセンター。電話がかかってきても、「ポン」という通知音とともに、パソコンの画面にポップアップが表示されるだけで、拍子抜けしてしまった。
しかし、そこでホッと、緊張の糸を緩めてしまったことを後悔した。油断している間にも、さらなる恐怖が訪れる。「ホラーはよく見るから、そんなに驚かないはず」と思っていたにも関わらず、ジリジリと加速していく恐怖に、しまいには薄目で見てしまうくらい、玲奈とともに追い詰められていた。そして、終盤、これでもかというほど、身の毛がよだつ出来事が玲奈を襲う。
ラストでは、心臓がぎゅっとにぎられる感覚を久しぶりに味わった。これを味わいたくて、怖いけれども、ホラー作品、そして“ほん怖”を見てしまうんだよな…と再認識した。ピークを迎えるまで、たったの40分。確実に見る価値のある作品だ。
ホラー好きという橋本が「ほん怖ファンの方も納得のいく作品になったと思います」と話したのもうなずける。ホラー耐性に自信のある方は、ぜひ、橋本が勧めるように「家のカーテンを閉めて、電気を消して」見てみてはどうだろうか。
もちろん、他の3作品も、“ほん怖”ブランドに間違いはないだろう。
筆者も小学生のとき、放課後の学校で行い、不思議な感覚に陥ったことのある“コックリさん”。好奇心でやったことがある人も多くいるに違いない、そのコックリさんをきっかけに与田祐希演じる主人公に恐ろしい出来事が降りかかる「或る学校の七不思議」や、山崎育三郎が事故物件で悪夢を味わう「事故物件A」、そして、霊感があるというゆめっちの実体験を描く「だるまさんが転んだ?」。どれも期待せずにいられない。
「ほんとにあった怖い話 2021特別編」は、10月23日(土)夜9:00から放送。
文=MN