小宮よりもよく喋る、器用さを発揮する相田周二
やや意外に思われる方もいるかもしれないが、番組で比較的よく喋るのは相田周二の方だ。東京キー局の番組では小宮浩信の方が目立つが、Dearボスで話す分量は6:4か、回によっては7:3くらいで相田の方が多い。特にリニューアル前の社長へのインタビューが中心の時代は、まず鋭く切り込んでいくのは相田であった。
相田といえば、ラジオで何の展開もオチもないフランス映画のようなエピソードトークを延々したにもかかわらず全く悪びれることがなかったり、自身のyoutubeチャンネル「しゅーじまんチャンネル」で字幕などの編集が全くない固定カメラで綿菓子を食うだけのような動画ばかり投稿し再生数が上がらないなど、“マイペースなポンコツ”というようなイメージがある。
しかし、以前ラジオのインタビューで話していた「どんなことでも必ず70点は取れる」という相田の器用さが「Dearボス」では発揮されており、偉い人いじりや難易度の高い食レポもスムーズにこなしている。ピンでナレーション仕事もこなすなど、滑舌が良く美声の相田の進行ぶりは聞いていて心地よい。三四郎はテレビ埼玉で「シブサワ解体新書」という渋沢栄一の足跡を追う番組も担当しているが、ここでも相田は大活躍している。もっと東京のキー局は相田に注目すべきではないだろうか。
「Dearボス」は、この4月から番組名に「三四郎の」が付き、名実ともに三四郎の冠番組となった。「ボス」に会いにいくというコンセプトは残しつつも、ボスが主役というよりは三四郎が様々なロケ企画を行う番組に変化している。
「アメトーーク」でも話が出ていたが、広島ローカルのタレントロケ番組ではアンガールズや千鳥の番組が先行しており「行く先行く先必ずどちらかがすでに訪れている」という状況はなかなか辛い。だからこそ、番組開始当初はコンセプトを「社長に会う」ということに絞り、先行番組と正面からバッティングしないようにしていたのだろう。ここに来て、ぶつかること覚悟で改めて三四郎を主役に据えたのは、番組が地元に浸透してきたのと、スタッフの三四郎への信頼が高まっている証ではないかと思う。