褒められたことがなかった自分の声を「いい」と言ってくれた
――「ヨワネハキ」はTikTokで火が点き、「THE FIRST TAKE」の出演回は600万回再生を超えました。当時の状況、ご自身的にはどういう心境でしたか?
「ヨワネハキ」が広まるまで自分の曲はそれほど外に出ていない状況だったので、「THE FIRST TAKE」が決まったときは本当にびっくりして、最初は全く信じられなかったです。めっちゃ緊張してて、一回テストで撮ってみましょうと言われて歌い出したら、「じゃあ、このまま行きましょう」ってヘッドホンから聴こえてきたんですよね。
――本当に一発撮りなんですね。
そうなんです。パニックになりながらもなんとか歌い切れてよかったです。
――今、asmiさんは20歳。小さいころから歌手になりたいという憧れがあったのですか?
歌は好きでしたけど、歌手になりたいとか、そういう気持ちは全然。音楽をやるようになったのは4つ上の姉の影響が大きくて、姉が歌をやっていたのでギターも家にあったんです。それで私も歌ってみたいなと思って、高校で軽音楽部に入部して。ボーカルをやらしてもらって、発声とかもそのときに学びました。
――軽音楽部だとどんなジャンルを?
基本、ポップな曲をカバーして、曲を書くようになったのは高校を卒業するくらいのタイミングです。高3の夏くらいに、私がピンボーカル、友達がキーボードというユニットをやってみたんですけど、あまり自分の音楽としてピンとこないところがあったのと、ちょうどカレとお別れしたというタイミングが重なって、自分の気持ちを曲にしてみようと思ったのがきっかけです。それまでがダメだったというわけではないですけど、そうやって気持ちを形にして、1人でやるようになってから音楽をたくさん聴いてもらえるようになったのかなと思います。
――そこからシンガーソングライターを目指したわけですか?
そのあとですね。高校3年間、軽音楽部で頑張っていたけど、声を褒められたことがなかったんです。でも、卒業前のタイミングで音楽系の専門学校のイベントに出たときに、その学校の先生から「君の声はいいね。歌をやった方がいいよ」と言ってもらえて。私、普段の地声からこんな感じで(歌のときと同じ)、自分の声がちょっと嫌だったんです。だから褒めてもらえたのがシンプルにうれしくて、この人の下で学びたいと思ってそこの専門学校に決めました。本格的に音楽をやっていきたいと思ったのはそこがスタートかなと思います。大学の推薦も決まりかけていた時期だったから、家族とか学校とか、色んな人に怒られましたけど(笑)。
――今は自分の声はどうですか?
今はめっちゃ好きです。やっと好きになれたと思います。