「Netflix Festival Japan 2021」の二日目「ライブアクションDay」が11月10日、都内にて開催。Netflixオリジナルシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」に出演の斎藤工、上野樹里と箱田優子監督が出席した。
坂井恵理による同名コミックスを原作とする同作。「もし男性が妊娠したら?」をテーマに男女逆転生活やギャップをコミカルに描きながら、「妊娠」をきっかけに今まで見えなかった社会に潜むさまざまな問題に直面した主人公・ヒヤマケンタロウを斎藤が演じる。
妊娠した男性を演じるにあたり「想像という入り口しかなかった」という斎藤は、男性妊娠をテーマに描く他の映画を見直すことで役作りに挑んだという。
「実際におなかが大きくなっていく自分のフォルムも忠実にしていただいたので、行動の重心が変わってくるんです。自分の大事にするコアな部分が、よりおなかになってくる。ちょっとした動きも含め、妊娠されている方はそれまでの日常が変化していくんじゃないかと疑似体験させていただきました」と撮影を通して感じた“妊娠”への思いを振り返った。
都内でロケーション撮影をしていた際には人々の視線が気になったそうで「自粛太りというか、私のおなかを見て“不摂生の象徴”みたいな目線をたくさんいただきました」と告白。本作が情報解禁されたことで誤解が解けることに期待し、「発表できてよかったです」と笑っていた。
また、「自身のターニングポイント」というトークテーマでは「役者として仕事がない時に、映画のコラムだったり、生意気ながら人様の作品を言葉にするみたいな仕事をさせていただいていたんですけど、フェアじゃないなと思った」と一方的に他者を論じる立場に疑問を覚えたことを告白。
さらに、「そこから映画を作るようになりました。『自分がクリエーションしてからじゃないと』という。今振り返ると、そこから自分のクリエーションが始まったように思います」と語っていた。
◆取材・文=山田健史
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