「運昇さんの声がまだ劇場で響く」
――悠木さんお気に入りのシーンはありますか?
トプスのおじいちゃんを石塚運昇さんが演じられているんですけれど、今も残る肉声にグッときてしまって、「おじいちゃん…!」ってなりました。おじいちゃんが登場する最初のシーンって、わざと怖く出てきたような感じがするんですけれど、トプスが困ると、絶対に助けにきてくれるのもすごくいいんですよね。
(運昇さんには)いろいろな現場、長期の現場でもお世話になっていたので、運昇さんの声がまだ劇場で響くんだと思ったらそれがすごくうれしくて、きっと一生忘れないなって…忘れちゃ行けないなって思いました。皆さんにもぜひ、劇場で聞いていただきたいなって思います。
――悠木さんの中で記憶に残っている石塚さんとの思い出や、ファンの方に伝えたい石塚さんのエピソードはありますか?
別の作品で毎週運昇さんと一緒ですという現場がありがたいことにあったんですけれど、その時も(運昇さんは)レジェンドの中でもレジェンドなのに、あまりにもご本人がフランクだから、“いじられポジション”なんです(笑)。
でも、それを飄々と交わすでもなく、受けつつ…こんな言い方失礼かもしれないんですけれど、人として愛おしさもありつつ、尊敬もできて、かっこいいなって思っていました。
レジェンドの人って愛される振る舞いをされるんだなって、運昇さんとの関わりの中で思いました。ただ、私は元気な時にお会いしていましたし、突然会えなくなっちゃうなんて思っていなかったので、もっとお話しておけばよかったなって思います。
「さよなら、ティラノ」はすごく久しぶりに一緒だったので、関係性の深いキャラクターでご一緒できたのはすごくうれしかったです。一緒に録りたかったなぁ…!
――ありがとうございます…!最後に公開を楽しみにしているファンの方々にメッセージをお願いします。
王道かつ硬派に作られた作品なので、まず外さない、まず刺さる…劇場で見ることにすごく意味のある作品だと思います。
誰かと映画館に行く時、気まずくならない作品であることって重要だと思うんですけれど(笑)、音も絵も、お話も、誰と見に行っても気まずくならないですし、一人で見ていただいても、その時思い浮かぶ人の顔があるんじゃないかなと思うような丁寧に作られた作品でもあります。ぜひ劇場でご覧いただけたらうれしいなと思います。