アンジュルム笠原桃奈がグループを卒業「この先どう生きようと、アンジュルムのことが大好き」<卒業メッセージ全文掲載>
笠原桃奈の手紙全文
5年間という長いようで短かった時間が終わろうとしています。まずはこれまで、私のアンジュルムとしての道を支えてくださったスタッフの皆さん、マネージャーさん、ファンの皆さん、ハロー!プロジェクトのメンバーの皆さん、家族、そして大好きなメンバー。本当にありがとうございました。
ハロー!プロジェクトのこともアンジュルムのことも、全然知らないままこの場所にやってきて、右も左も分からず怒られてばかりだった日々が、ついこの間の記憶のように私の心の隣にあります。
何事も楽しいとか、悲しいだけでは語れないこと。強さも弱さも持っているから感動していること。大切なことをたくさん教えてもらいました。自分の中で簡単に消化できないようなつらいこともあったけれど、今もその出来事を経験しなかった自分を想像すると、少し怖いです。結局は感謝と尊敬の気持ちばかりが、この場所に残っています。
私がアンジュルムに加入した時、たくさんのお姉さんたちがいました。いろんな人がいて、だけどみんなが、みんなといる時は楽しいことにも悲しいことにも素直になっている姿が目の前にあるのが、中学1年生の時から私の日常になりました。
みんなの尊敬できるところも、人間らしいところも、全て含めて最初から今日という最後の日まで、いとおしくてたまらないものでした。今はかわいい妹が増えて、私はすっかり年上組なんてくくりにされるようになったけど、お姉さんたちに『桃奈!』ってかわいがられたり、からかわれたりしていた、あの時の幼い心は、今も私のアイデンティティーの中にあるのです。
みんなのことが大好きという気持ちが、いつ、どの時代のアンジュルムにいても強くなっていくこと。だから別れは本当に寂しくて、泣いた夜もたくさんあったこと、それを本当にみんなは分かってくれているのかなって、時々不安に思う日もありました。
だけど今はこうして、みんなとの別れを選び、進もうとしているのは私自身です。アンジュルムが今の人生に欠かせない自分の全てだからこそ、今、私にとっての自立をすることを選びました。
いつの日か、このステージに立っている今が過去になります。いつの日か大好きで大切な仲間がいたんだって、誰かに話す日がやってきます。今、何にも変えられないものは、この先、何に出会おうと変えられないもので、過去に、未来の私の中にあり続けるんだと思います。
言葉を交わして笑い合って、一緒に歩いて、悲しくて慰めて。そういう全てが今でもきらびやかで、まぶしいのに、いつか思い返したとき、まぶしさに私は耐えられるのかなと思ったりもします。正直今は寂しくて、本当はとても不安で、夜一人になると自分一人にどれほどの価値があるのかなって思う瞬間だってあるんです。
だけど、仲間と呼べる仲間と出会って、いつ何時も私が思うのは、きっと出会えたというのは、全ての人に平等には訪れないんだろうなということ。この温かさを、優しさを知っている私は、私を特別だと思います。言葉にせずとも、お互いに伝わる愛情が私の世界にあることを教えてくれたあなたをやっぱり愛しています。離れ離れになっても、どこにいても、この先どう生きようと、アンジュルムのことが大好き。アンジュルムを好きな人たちが大好きです。
改めまして、これまでアンジュルムの笠原桃奈に携わってくださった全ての皆さん、心からありがとうございました。私は明日からも私らしく、変わらないものと変わりゆくものを抱えて進んでいきます。ここでもらった愛情を胸に強く生きていきます。11月15日アンジュルム 笠原桃奈。
取材・文=宮澤祐介