「同じピザなのに全然美味しそうに見えなくて(笑)」
――では、本作で印象に残っているシーンやセリフは?
林:僕は好きなシーンがありまして…。視線恐怖症で外に出て人と関わることができない佐薙と、極度の潔癖症で基本的に外出は避けたい高坂が出会って、そんな2人がリハビリをするために、カフェに行くんです。そこで頼んだピザを、高坂は知らない人が作った料理だから食べるなんてあり得ないって、嫌悪感を抱きながら眺めているんですけど、佐薙はそれをすごく楽しそうに美味しそうに食べていて。
その後、いざ社会に適応していくとなったときに、高坂が食べられなかったピザを一人で食べるシーンがあるんです。同じピザなのに美術さんや柿本監督の演出で、それが全然美味しそうに見えなくて(笑)。そのシーンで、佐薙がピザを楽しそうに食べている姿がフラッシュバックするんですよね。やっぱり食も好きな人と共にした方がより美味しく感じるし、一人だと味気ないという当たり前のことを改めて感じさせられて。些細なシーンなんですけど、すごく好きです。
小松:「恋は盲目だから」というセリフは、本当にそうだなと共感しました。恋愛していると、見えているつもりでも意外と見えていなかったり、その相手によって、気が付かないうちに自分がすごく変わっていたり…恋愛って本当に大きなことなんだなと思います。良いも悪いもいろんな影響力があるから、「恋は盲目」という言葉について改めて考えさせられました。
友達を見ていても、相手が好きな服装になったり、考え方が変わったなと思ったりすることがあるので、恋愛って人生を変えてしまうほどの力があるんだなと。この映画の2人も、恋によって変わっていったりいろいろな物事が見えなくなってしまったりと、お互いへの執着みたいなものが感じられますよね。
11月12日(金)公開
出演:林遣都 小松菜奈
井浦新 石橋凌
監督:柿本ケンサク
脚本:山室有紀子
原案:三秋縋「恋する寄生虫」(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
主題歌:Awich「Parasite in Love」(ユニバーサル ミュージック)
配給:KADOKAWA
公式サイト:koi-kiseichu.jp/
(C)2021「恋する寄生虫」製作委員会