今話題のイケメン昆虫ハンター・牧田習。「三度の飯より虫が好き!!」と公言し、テレビ番組にも多数出演。今年1月にはNHKプロデューサーの目に留まり「ダーウィンが来た!」にも出演を果たした。
幼少期から昆虫好きで、ついには昆虫のために地元・兵庫から北海道大学へ進学。その後、東京大学大学院(農学生命科学研究科)に進み、現在は大英博物館やオックスフォード大学など海外の研究者と協同で昆虫研究を行い、新種を発表し続ける。
そんな彼が虫たちの知られざる生態を面白おかしく解説する本連載。第8回は、とんでもない昆虫・キマダラカメムシに注目!
日本中がキマダラカメムシだらけに!?
皆さん、事件です‼ 多くの方はお気づきではないかもしれませんが、実はここ数年で一気に僕も住んでいる東京を征服し、今や日本中を支配しようしているとんでもない昆虫がいるんです‼
え? 昆虫が支配⁉ そんな馬鹿な……と思われたことでしょうが、早速、この昆虫を紹介したいと思います。それは「キマダラカメムシ」というカメムシの仲間です。カメムシというと「臭い」イメージがほとんどかもしれませんが、臭いだけでは日本を征服することはできません。このカメムシのすごい所はその分布の拡大するスピードなんです!
キマダラカメムシは元々、台湾や東南アジアなど暖かい地域に暮らしている昆虫で、日本では九州のごく一部の地域で見つかっているのみでした。しかし、今から10数年前、東京や愛知県などで「外来種」として発見されて以降、ものすごいスピードで増え続け、今や東京では最もよく見られる昆虫の1つにまでなりました。このままだと日本中で増え続け、そこら中がキマダラカメムシだらけになることでしょう。
10年程前、僕が中学生の頃は、目新しいカメムシで見るとテンションが上がりましたが、今や都内で木や植物を見ると、必ずと言っていいほど目に付くキマダラカメムシ。人類がカメムシにのっとられる日も近いかも……⁉