「ただ、憧れの作品だったので、“作品をぶち壊してしまうんじゃないか”とか“以前上演されたローラはどんな感じだったんだろう?”って、劣等感というか、自信がなくて押しつぶされそうになったりもしました」と不安な気持ちも吐露しつつも、「でも、このキャストで、上村さんの演出で、スタッフの皆様とも一緒に、今回の物語を紡いでいけたらと思いました。緊張しますし、プレッシャーもありますけど、日々舞台に立てることを楽しみながら演じていけたらいいなと思っています」と笑顔を見せた。
トム役の岡田とは初共演。印象を聞かれ、「岡田さんはお芝居に誠実な方だという印象がありましたけど、実際そうでした(笑)。読み合わせの時から台本が(読み込んで)分厚くなっていて、きっと見えないところで努力されてるんだろうなって。この作品はちょっと物悲しいところがあるんですけど、岡田さんが座長ということで、人柄がとても穏やかで温かい方なので、世界観にもそれが浸透している感じがしました。トムが岡田さんでよかったです」と答えた。
岡田は倉科の印象を「カナ様は本当に素敵な女優さんです。ローラはとても繊細だけど、チャーミングなところがありますが、それを絶妙に演じられているのを稽古の時から見てきました。本当、素晴らしいなと思います!」と語った。
“カナ様”という呼び方は稽古中に生まれたあだ名で、名付けたのは出の上村だという。倉科は恥ずかしそうだったが、岡田は「敬意を込めて、“カナ様”とカンパニー全体で呼ばせていただいてます(笑)」と気に入っている様子。
フォトコールでは、作品の第1幕の1場を披露。倉科演じるローラは、トムと母親・アマンダと一緒に食事をしたり、優しい表情を浮かべてガラス細工の動物に触れたりして、冒頭の部分だけでもローラの人柄が伝わってくる演技を見せてくれた。
竪山はトムの職場の同僚・ジム役、麻実は母親・アマンダ役で出演する。
舞台「ガラスの動物園」は12月12日(日)から30日(木)まで、東京・シアタークリエで上演。2022年1月には福岡・博多座、愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティでの上演が予定されている。
◆取材・文=田中隆信
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