大河ドラマはには、クリアした人間にしかわからないものがある
――演じてみて印象的だったシーンを教えてください。
山本五十六が上司に囲まれるシーンがあるのですが、とにかく「いいえ」は言えない。「いやあ」とか、「それはどうですか」という素振りや表情すら出せない空気の中で、「イエスかノーか」と一応聞かれるんです。「イエス」と答えることになるのですが、お芝居とはいえ、すごい時代だったんだなと思い胸が締め付けられました。
――緊迫したシーンが続く中、五十六が自分の子どもと接するシーンにはどことなく人間らしさがにじみ出ていますが、撮影中のエピソードなどがあれば教えてください。
僕の子ども役の子が、撮影の合間に意を決したように話しかけてくれたんですが、「実は僕、こないだまで(「青天を衝け」で草なぎ剛が演じている)慶喜の子どもだったんです。草なぎさんのすぐ後が香取さんですごくうれしいです」と言われて。「おお、そうなのか、ありがとう!」なんていう会話をして、ほっこりしました。
――草なぎさんが「青天を衝け」で活躍されている姿はいかがですか?
この1年はずっと草なぎに「撮影の様子はどう?」なんて聞いていたのですが、最初のうちは「撮影が大変だ」と言っていたのに、中盤から後半にかけて「面白くてしょうがない」「終わるのが寂しい」と話すのを聞くようになり、自分もそうだったなと思いました。
やっぱり大河ドラマは非常に大きいもので、そこをクリアした人間にしかわからないものがある。それを草なぎと話せているのが非常にうれしいですし、彼が活躍している中で今回のこの役をいただけたので、より感慨深かったです。
――今作への出演にあたり、稲垣さんから何かリアクションはありましたか?
通りすがりに僕の髪を見て「お〜〜!」って言いながら、すごく興味深そうに見ていました。「すごく気持ちいいし、いいよ!」とおすすめしたんですけど、苦笑いされて終わりました(笑)。
――作品を見た視聴者の方々にどんなことを感じてほしいと思われますか?
僕は映像や本などでしか戦争を知りませんが、このドラマを通じて、一国だけでなく皆で未来について話し合いをしていて、「より良い未来のために」という思いの人もいる中で、歯車が合わなかったからこそ(負の)歴史が刻まれてしまうこともあるんだなと知りました。
何が起きていたのかを知ることだけでも僕はとても勉強になったので、そこを見てほしいですね。これからも強い思いを持っている人が増えれば、悪い未来に進むことを少しでも防げるんじゃないかなと思います。
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