「10年後も一緒に遊ぼうね」ーーLiSA、デビュー10周年ツアーを完遂
「迎えに来たよ〜! 武道館〜っ!」
LiSAは、2021年7月9日から幕を開けた10周年ツアー“LiVE is Smile Always~LADYBUG~”の最終日(同年12月8日)だった武道館で、1曲目の「dawn」を歌い終わったアウトロ中にそう叫んだ。
“迎えに来た”という言葉を選ぶあたりがLiSAである。
常に“みんなを幸せにしたい”と願ってステージに立ち、全身全霊で歌っているLiSAらしい言葉だと表現すべきだろうか。そして、この一言に、彼女の10年が詰め込まれていると言っても過言ではない。
2014年1月3日に初の武道館に立ってから、今公演で7回目を数える武道館のステージ。LiSAの中で、このステージに立つたびに叫んできた「武道館〜!」という言葉は、回数を重ねるごとに変化していったのではないかと思う。
「待ってろよ! 武道館!」「帰って来たよ! 武道館!」「(ファンに向かって)連れて来てくれてありがとう! 武道館!」 ――LiSAがこれまで叫び続けてきたこの言葉は、集まってくれたファンに対して叫んできた言葉であるのはもちろんのこと、己自身にかけられて来た言葉でもあったことだろう。この言葉の変化は、LiSAの気持ちの変化を、その都度リアルに映し出してきたものに違いない。つまり、彼女の成長の証なのである。
デビューからずっとオーディエンスを笑顔に導いて来た彼女はこの日、「迎えに来た」という言葉と共に、いつも以上にしっかりと築き上げて来た10年という絆を胸にオーディエンスを『LADYBUG』の世界へと誘ったのだった。
会場の熱が上昇していくのがリアルに体感できた瞬間
「ようこそ、“LiVE is Smile Always~LADYBUG~”へ! 最高に楽しんで行きましょう! ピース!」
いつもの挨拶をフロアに投げかけ、ピースを掲げた左手を真っ直ぐに伸ばすと、2曲目「白銀」から一気に加速していった。
オーディエンスが放つピンクのライトに包まれながら、黒いドレスを翻し、ヘヴィなサウンドに乗せ、大きく身体を揺さぶりながら歌うLiSAの姿は勇ましい。ライブでお馴染みとなった、ステージ中央に持ち込まれたフロアタムをマレット(※ヘッドの付いた枹)でLiSAが力強く叩きながら歌う「ADAMAS」では、その力強さに応えるかのようにフロアがピンクから赤一色に変化し、会場の熱が上昇していったのがリアルに体感できた。いつもこの曲ではLiSAの歌声を押し上げるように、オーディエンスの「オーオーオー」という叫び声が会場中に響き渡るのだが、“声を出してはいけない”という制限のため、そこにオーディエンスの叫び声はない。しかし、そこに物足りなさは無かった。いつも以上に、“ここに居るみんなを幸せにしたい”と願い、歌うLiSAのオーディエンスを惹きつける圧倒的な引力は、制限がかかっていることを忘れるほどにパワフルなものであり、同時に、LiSAと一緒にライブを牽引するバンドメンバーたちの一丸となった精神力は、LiSAを中心に分厚い一枚岩となっていた。今のLiSAをサウンドで支えるバンドとしては、最高の座組みである。
「LiVE is Smile Always~Eve&Birth~」
「the Eve」
2022年4月1日(金)東京エレクトロンホール宮城
2022年4月12日(火)福岡サンパレスホテル&ホール
「the Birth」
2022年4月20日(水)日本武道館
●RELEASE INFORMATION
LiSA 20thシングル「明け星 / 白銀」発売中
【CD】https://LiSA.lnk.to/akeboshi_cd
【配信】https://lisa.lnk.to/AkeboshiShirogane