やりたいことが見つからなかった学生時代。気付きのきっかけは母親の一言
――アナウンサーを目指したきっかけを教えてください。
漠然とテレビへの憧れはずっとあったんです。そもそも、お芝居がしたくて、高校から大学時代までは芸能事務所に入っていました。就職活動の時期になって、両親から「社会人経験を積んでほしい」と言われて、会社説明会に行ったんですけど、いまいちピンと来なかったんです。それまで、進学校の高校に行っていたし、周りの皆が行くからとりあえず大学に行く、みたいな感じで流されるように生きてきたので、急に自分の道を選択しなくてはいけなくなったとき、何も選べませんでした。自分が何をしたいかも分からないし、何が合ってるかも分からない。親にも「やりたいことがない」というような話をしたら、母から「就職の面接に役立つかもしれないから」とアナウンススクールを勧められたんです。
――それまでアナウンサーは選択肢にもなかったんですね。
そうなんです。スクールで現役のアナウンサーの方の講義を聞いて、「アナウンサーって今からでも目指せるものなんだ」って初めて知って。まず、会社員ということも知らなかったぐらいです。でも、やっぱりお話されている姿は、すごくキラキラして楽しそうで、充実している感じが伝わってきたので、「アナウンサーになりたいかもしれない」って。そうなってくると、今までの自分の経験が全部つながってくるなって思えたんです。それまで私、いろんな習い事や経験をしてきたけど、全部中途半端に終わってしまって。それがコンプレックスでもあったんですけど、アナウンサーは広い視野と好奇心を持って挑戦していくという仕事でもあるから、私に合ってるかもしれない、と気付いて。そこからもう、「何としてでもアナウンサーになろう」と頑張って勉強しました。
――そこからアナウンサーの方に注目するように?
はい。当時、「ズームイン!!SUPER」(2001年~2011年日本テレビ系)をやっていた西尾由佳理さんを見て、漠然とではありますが、「あぁ、すごく素敵だな。こういう人になりたいな」と思っていました。
――主にテレビを通してですが、“人前に立って話す、伝える”ということに対しては苦手意識はなかったんですか?
あまりなかったですね。むしろ、小さい頃からピアノや詩吟を習ったり、学校で学級委員長や応援団長、指揮者などをやったり、人の前に立って何かをするのがすごく好きだったので、この性格も役に立つなと思いました。ただ、いざアナウンサーになってみると想像と全然違って、自分って実は、すごく“緊張しい”なんだなって思いましたね。
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