どんどんこの輪を広げていけたらいいなと思ってます
リトグリといえば、聴き手の背中を明るく元気に押してくれる応援歌という印象が強い。
しかし、2021年12月15日に２曲同時に配信リリースされたソロ第１弾「good / dreamer」はメロウなグルーヴでリスナーをリラックスして、スロウダウンさせる、チルアウト系のローファイR&Bとなっている。
「「dreamer」は、ただ華やかでポップな曲というよりは、どこか風が通っているような涼しさと明るさがある。恋愛の歌にもとれますし、夢に対しての思いみたいなふうにもとれるんですけど、疲れた帰り道に聴いても楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。「good」はシンガーソングライターでトラックメイカーのMomさんにアレンジをお願いして。自分の作ったものに面白いスパイスを加えてくれたし、めちゃめちゃワクワクする体験をさせてもらいました。「good」のほうは、今日楽しみだなっていう予定の日に聴いてほしい。ただ今回は、「dreamer」が“明治プロビオヨーグルトLG21”のプロジェクトに使ってもらえることが決まったので、あえて似た色の２曲を選んでいて。今後は“あ、こういうのもやるんだ”“え？ 意外にこういう音楽が好きなんだ？”って感じてもらえるようなディープな曲も作っていきたいので、楽しみにしてもらいたいです」
また、彼女は作詞作曲だけでなく、アートワークやMVも自身で手がけている。
「私自身がやりたいことを立ち上げたスペースなので、グループを応援してくれている方には、それを行動で示さないといけないなと思っていて。だから、作詞作曲はこれからも絶対両方ともやるし、“自分がやりたいことがある”っていうことをちゃんと行動で示すためにも、まずは一人でやってみることが大事だと思って、『アートワークやMVも自分でやります』って言いました。また、今回はミックスも自分が好きな方にお願いすることができて。できることは全部自分でやるという根底は守りつつ、自分がいつか音楽で関わりたいなと思っていた方に、自分が作った作品で関わってもらえるのはすごくうれしいことでもあるので、どんどんこの輪を広げていけたらいいなと思ってます」
グループと個人活動は別の楽しさがあるので、どちらも勉強になっている
ソロとしての楽曲が完成したあと、改めて、グループとの違いを感じた部分はあったのだろうか。
「歌い方がまず違いますよね。ソロでは歌い上げることで、楽曲の世界観を壊すようなことになるのが多いことに悩んでて…。でも、ソロでは歌い上げず、自分が聴いていいなと思う自分の声を活かせるような音域やメロディを追求していくことで、相互にいい作用が働くだろうし、グループと個人活動はまったく別の楽しさがあるので、どちらも勉強になっていますね」
グループとソロでは見ている景色も目指す場所も違うようだ。
「リトグリではメジャーなところの第一線で活躍する国民的なアーティストになりたいっていう思いがメンバー全員にあって。何気なくつけたテレビとか、見ようとしてなくてもそこにいる存在になりたいし、グループとしてもっともっと大きくなっていきたい。その傍らで、自分が今、やりたいことや好きなことを自分でやるソロプロジェクトに共感してくれる人も見つけられたらいいなと思う。両方やっているからこそ得られる視点は絶対にあるし、どちらかが欠けるのではなく、バランスよくやっていきたいですね」
ソロプロジェクト名のcat marchには、友達に「気分屋で猫っぽい」と言われるという彼女の性質と「猫のようにバーッと走るときもあれば、のんびり歩くときもあるように、気まぐれにやれたらいい」という思いが込められているそう。
manakaはまだ20代に突入したばかり。
集団と個人。ポピュラリティとインディペンデント。
リトグリとcat marchを、まさに猫のように気まぐれに行き来しながら、アーティストとしての新境地を切り拓いていく。
（取材・文 / 永堀アツオ）
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