川上なな実「コンプレックスをなくすきっかけに」 “すべて”を隠さずさらけ出した写真展を渋谷2会場で開催
「コンプレックスをなくすきっかけになってくれたら」
――「いろんな方に見てほしい」と話されていますが、それにはどういう思いが込められていますか?
川上:私が思っているのは、10代、20代、30代、40代…いろんな層の女性に見てもらって、コンプレックスをなくすきっかけになってくれたらいいなって考えているんです。
ニキビがあったり、変な顔してたり、体にアザがあったり。それも堂々と「これが私です」って見せると、それはコンプレックスじゃなくなるってことを知ってほしい。勝手な考えかもしれないですけど、自分の気持ちが変わるだけで周りが変わる。だから、まずは「自分を変えたい」という人がいたら私の写真を見て、「私も大丈夫かも」って自分のことを好きになってもらいたいです。
実は2018年に写真展を開催した「となりの川上さん」の作品集の時は世に出したくなかったんです。当時自分がアイドルだと思っていたので、泣き顔とか表に出したら痛々しいとか気持ち悪いとか思われちゃうんじゃないかって。でも、写真家の笠井爾示さんや熊谷直子さんと出会って、すべてアートだってことを知って、アートの世界に興味を持って、写真集を出したら評価が返ってきた。
それで今回は、確信を持ってコンプレックスをさらけ出したんです。もちろん心の葛藤はあったんですけど、出すことに意味があって、出せば何かが返ってくるって分かっていたので、撮影に臨む覚悟が違っていたと思います。
――少し話がそれますが恵比寿マスカッツのライブでも弾けている印象が強いですね。
川上:マスカッツでも前まではアイドルだと思ってましたけど、最近のライブは今の心情にうそをつかないパフォーマンスをするって決めて、自分も楽しむために発散するっていうのをテーマにして。周りの目を気にしなくなりました。とても自意識過剰で自分が小さくなっていた時があったんですけど、自分は自分。「自分のセンスや好きな物は良い物だ」って信じるようになって、それを自信を持って提供できるようになりました。
「全裸監督」に出演した時も役作り的に苦しかったんです。不安でしたけど、規模が大きくなるほど評価が大きく返ってくるし、またそこから拾ってくれる人も出てくるし、見てくれてる人はいるんだって実感出来ました。
――評価の中で、マイナスの声は気になったりしませんか?
川上:「そういう意見もあるよな」って思うくらいですね。全てに否定したくなくて、そう見える人がいるんだって発見でもある。トークイベントとかでも、これを良しと思わない層の人もいるんだと思ってユーモアを交えて付け加えたり…ユーモアが一番大事だから、そこは意識しているかも。
今回書いた小説にしても、私の文章、これよく本にしたなって読んだらびっくりすると思います(笑)。本を読んでこなかったので文才がなくて、話し言葉で書いたんですね。しかも、約30年間の自分を詰め込んだので言葉になってないところもいっぱいあって。悔しい思いをいっぱいしました、でもその未完成な小説も私なんです。もっと伝えやすく、ユーモアを交えて書くこともできたけど、私の中で余裕も文才もなくて書けなかった。その今の私をさらけ出してどう評価が返ってくるのか、全部実験だと思ってやってます。40代あたりに文才を身につけて、また小説書きたいって言うかも(笑)。
「一度写真展で体感して」そしてロック座へ…!
――写真展初日を終えていかがですか?
川上:まずは初日、終わりましたね~。すごくハッピーな時間でもあり、疲労感もあり、この後セルフドキュメンタリーのデータ処理をして、明日の朝10時に鍵を開け、本当にやることがまだまだありますが、でもちゃんと体力を計算しながら…計算得意なんで(笑)。
――ダイトカイの方の展示は、ストリップを見た時の感情に近いものがありました。
川上:写真でそういう感覚になるのはなかなかないかも。今日も若い女性の方が来てくれたけどストリップには行きづらいという声もあったので…浅草ロック座にくるのはまだ足が重いという方には一度ここで体感してもらいたいな。
それでやっぱり浅草ロック座の2月の脱ぎ納め公演に来てほしいです。私の常連のファンが助けてくれると思います(笑)。こんな自由人にたくさん付いてきてもらえて私は幸せです。
私の中では、ロック座でのポーズをこう改善しようという気付きがありました。内股になってたんですよ…2月までに直ってるかみんな見に来てね!
――それでは改めて、写真展に行きたい、行こうと思っている方へメッセージをお願いします。
川上:絶対心のお土産はあると思います。今最後まで読んでくれたってことは、自分が変わりたくて、何か求めてる人だと思うので、写真展の私に会いに来てほしいです。さらに知りたいと思ってもらえたら2月に浅草ロック座に来てもらって。そして映画も見てもらって。「なんか気になるな」って思ってもらえたら、これからももっと面白いことをやっていくので、今後の私を見守って楽しんでほしいです。
期間:1月2日~16日(日)
<第一会場>
場所:東京・渋谷ヒカリエ8階(東京都渋谷区渋谷2丁目21-1)
時間:11~20時
<第二会場>
場所:BARダイトカイ(東京都渋谷区東2丁目20-16)
時間:平日19~26時、土曜15~26時、日曜15~24時 ※火曜定休
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■小説「決めたのは全部、私だった」
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※写真展会場でも先行販売中
■浅草ロック座引退公演「ファイナルストリップツアー」
公演日:2月1日(火)~28日(月)
場所:東京都台東区浅草2丁目10-12
■ドキュメンタリー映画「裸を脱いだ私」
2023年公開予定