関係者だけに渡されるネタバレ台本
――現場ではこの人が怪しい、なんて会話にはならないのですか?
芳根:実は私たちは結末まで知っちゃっているんですよ。犯人を知らなかったのは西島さん。それをお伝えする前までは、現場で「これどう思う?怪しくない?」とすごく聞いてきていて、私はその都度、知らない振りをしてきました。私たち、関係者だけにネタバレ台本という1枚の用紙を渡されるんですよ。誰が犯人というのではなく、その撮影の時の大事な要素に関わる人に配るものなんですが。それをキャスト同士で「もらったことある?」なんて言って探り合ったりはしていますね。
佐野:なぜかまだ僕は渡されていない。
芳根:私は結構もらっているよ(笑)。そのシーンをつないでいったら第20話は撮影しなくてもいいんじゃないかなってくらい細かく撮っている気がする。
佐野:ますます怪しくなってきた。
芳根:台本からストレートに読み取れることだけではなく、その裏にある気持ちだったりなどがそれぞれにあるからね。だからこそ面白いんだと思います。
――ここからますます話が加速していきそうですが、演じる上で気をつけている点を教えてください。
佐野:やはり「余計なことはしない」です。ちょっとでも違うことをすると流れが変わってしまうこともあるので。あとは表情ですね。見たときに、この表情だから怪しいと言われるのも違うし、この表情だから絶対にそうだと思われるのも違って…。すごく難しいんですが、どっちにでもとれる表情をしています。
芳根:そこは大事だよね。あと瑞穂に関しては、絶対に愛される人であれと願いながら演じています。私だったら好きになるとか友達になりたいと思う女性を目指しているというか。そのためには衣装なども、あまり女の子になりすぎないように狙ったり、会社ではグイグイ引っ張る姉御肌的な部分を表現したり…。話が進むにつれて、そのキャラクターがブレないようにしていくのが大事かなと思っています。
佐野:一星は本心で世界中の人を幸せにできると思っているところがあるので、そこは間違えないように演じていきたいです。
――最後に後半部分の見どころを教えてください。
佐野:第11話から真相編になり、物語がどんどん動いていきます。僕も台本を読んでいてめちゃくちゃ面白いと思ったので、どうみなさんの目に映るのか今から楽しみです。かなりスピーディーなので覚悟してください。
芳根:もう、お待たせいたしましたという感じです(笑)。伏線の多さとそれをきれいに回収していくのは、全20話ならではの醍醐味だと思います。ここまでよく分からないと思いながらついてきてくださった方は、ここからです! ここからジェットコースターのように進むので、1話1話見逃さずにいただけたら。
佐野:そして見逃してしまった方は、HPのあらすじがかなり詳しいので(笑)。それを見て、今からついてきていただいても大丈夫だと思います。
芳根:どんどんみんなのバックボーンが見ててくるからね。視聴者の方がどう思うのか、今からすごく楽しみ。
佐野:みなさんの目に誰が怪しく映るのか…。早くみんなの考察を読みたいです。
芳根:よく「この後から出てくる人が真犯人じゃない?」と聞かれますが、それは違います。ちゃんと第1話から出ている人が犯人なので。みなさんで推理をしながら楽しんでください。
取材・文=玉置晴子