――脚本を読んだ感想は?
セリフのテンポが良くて面白かったです。ミキと一緒にフリーペーパーを作っている1号さん(村杉蝉之介)、2号さん(臼田あさ美)、3号さん(安藤ニコ)のキャラが濃くて。ものすごく不思議な会話が展開されるので、事前に役作りをするというより、現場で演じてみて感じたことが大事だなと思いました。
――ミキへのアプローチは「自然体」が基本?
原作があるからどこかキャラっぽくなるのかなと思ったんですけど、大九監督がちょっとしたハプニングもそのまま生かす演出をしてくださったんです。風が強く吹いてもNGにならなかったりして、何があっても全部OKという感じ。だから、ナチュラルな感じでいいんだなと思いました。
独り言が多いところは私と似ているかも(笑)
――ミキというキャラクターの魅力は?
仕事とはいえ、ミキは他人の失恋話に聞き耳を立てるタイプ。自分から積極的にいけるところがすごいです。私は友達が失恋したとしても、向こうから何か言ってくるまで待つタイプ。例え誰かから失恋したことを聞いていたとしても自分からは先に話しません。でも、ミキの場合は知らない人でもグイグイいく(笑)。そこが面白いところでもあるし、いろいろな失恋の形に対するリアクションも独特だなと思いました。
自分とは全然違う性格のキャラクターを演じている感覚でしたけど…独り言が多いところは私と似ているかもしれません(笑)。
――大九監督の世界観については?
映画「勝手にふるえてろ」や「私をくいとめて」を観た時に独特な間やリズムがあるなと感じて、自分もその世界観に入ることができてとてもうれしかったです。今回の作品もストーリーや会話の内容、衣装を含め、失恋をテーマにしながらもほっこり描かれているんです。そのユルさが心地よいなと感じました。
――食べるシーンで心掛けた点は?
きれいに食べたいと思いました。大九監督から「こんなふうに食べてください」と言われたことはなくて、熱かったら「熱っ!」って言っているし、劇中に登場する料理は全部おいしかったので心からの喜びが顔に出ていると思います。
――きれいに食べるために工夫したことは?
渡辺直美さんの食べ方がすごく好きで動画を見て参考にしました。口の周りにつかない、リップを崩さないという究極の食べ方をされていて、どんな大きさでも上手に食べているんです。
私はちょっとズルをしたというか、食べやすいように小さく切っていました(笑)。おしゃれな店も出てきますけど、基本的には私が好きながっつり系の店が多かったので自然と箸が進みました。