1月22日、映画「真夜中乙女戦争」の公開記念舞台あいさつが東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、主演の永瀬廉(King & Prince)が共演者の池田エライザ、柄本佑、監督を務めた二宮健と共に登壇した。
本作は、作家Fの同名小説を映画「チワワちゃん」(2019年)「とんかつDJアゲ太郎」(2020年)などの二宮監督が映像化したもの。平凡で退屈な日々を送る青年が、自分自身と東京を破壊するまでの“夜と恋と戦争の物語”を描き、永瀬は主人公の“私”、池田は“私”が恋心を抱く凛々しく聡明な“先輩”、柄本は一連の騒動を首謀する謎の男“黒服”を演じる。
永瀬は「今日はわざわざ足を運んでくださり、ありがとうございます。短い間ですけど、楽しく皆さんと絡めたり、僕らのことを見ていただけたらなと思います」とあいさつをし、この舞台あいさつが生中継されている全国121の映画館へ向けて「121館の皆さん、ここにいる皆さん、よろしくお願いしまーす!」と呼びかけた。
コロナ禍で撮影が延期になることもあったというが、無事に公開され、永瀬も「久しぶりにワクワクした気持ちになってます。スタッフさんも僕らも苦労した部分もあったので、無事にフルで(観客が)入る状況の中で公開できることをうれしく思っています。この景色、最高やな!って思いますね」と喜びを伝えた。
二宮監督が公開初日(1月21日)に映画館でお客さんと一緒に本作を見たと報告すると、永瀬は「えぇ! 誘ってよ。誘わないと」とやや残念そうな様子だったが、監督から「今度、一緒に行こう!」と言われ、「うん、行こう!」と笑顔を見せた。
本作の印象的なシーンとして永瀬が挙げたのは、「車を奪って山奥の方で黒服と喋るシーン」。「黒服(柄本)がずっと僕の周りを回ってて。黒服の不気味さが分かりますし、“私”自身の心情としても『誰かに投げかけてほしかった言葉だけど、それを言われるのが怖い』という気持ちがあったりするんです」とその理由を明かし、「監督から『“私”の心情としてはものすごく興奮してほしい』と言われたので、黒服が僕の周りを回っている間、ずっと興奮してました(笑)」と撮影の裏側を語った。
さらに永瀬は撮影現場や共演者について聞かれ、「エライザさんは僕が初めに抱いてたイメージとは全然違う方で。佑さんもそうですけど、話しやすいです。監督の二宮さんも『廉くん!』みたいな感じなので、アットホームというか温かくて。撮影期間の1カ月ぐらい、毎日楽しかったです」と振り返った。
タイトルにかけて、“乙女”だと思う部分は?という質問には「佑さんとのシーンは乙女でしたね。それと、最近めっちゃリップを塗るところ(笑)。乾燥はしないんですけど、常に塗っておきたいんです」と回答していた。
そして劇中の「東京破壊計画」にちなんで、2022年に実行したい“○○計画”を公開。永瀬が掲げたのは「真夜中二輪計画」。「(King & Princeの)メンバーは、僕以外全員、二輪の免許を持ってるんです。4人持ってるんやったら、僕も免許を取得して、ゆくゆくはみんなでツーリングできたら楽しそうやなぁって。朝とか昼は人が多そうなので、真夜中に山沿いとか。まずは免許を取るところからですね(笑)」とメンバーとのツーリング計画を明かした。
最後は、「この1週間で世の中の状況が目まぐるしく変わってきている状況ですけど、『真夜中乙女戦争』という作品は、そういう状況ですら若干意識したというか…。ポスターに『絶望は光になる』という言葉があるように、暗くなりがちなニュースが多く、絶望に向かっていく中、“絶望をどうにか晴らしたい”という気持ちが大事だと思っています。そういうメッセージをこの作品から感じていただいて、また明日からの活力になればいいなと思っています」と力強いメッセージを伝えて、舞台あいさつを締めくくった。
◆取材・文=田中隆信