「本当に声優のプロだからこそできる仕事」
――今回が声優のお仕事は初めてということですが、完成した映画を見たときは、「自分の声だとは分からなかった」そうですね。
僕の声がダメだったから、編集段階で調整されたのかなと思うぐらい、自分の声とは思えなくて(笑)。もちろん収録に挑むときには、自分なりにホッサルの声を考えていきましたし、それを現場で擦り合わせていく作業は楽しかったです。ただ、プロの声優さんが改めてすごいと思ったのは、現場での対応がものすごく速いんですよね。
ヴァン役の堤さんや、サエ役の杏さんとは別々の収録だったのですが、プロの声優さん方とはご一緒させていただいて。皆さん、まるで楽器みたいに求められた声を出せて、しかも滑舌がいいから聞き取りやすい。本当に声優のプロだからこそできる仕事だと思いましたし、勉強させていただきました。
――謎の病が侵食している世界という意味では、コロナ禍にある今の社会にもつながる物語のように感じます。
もちろん、今の時代とつながる話ではあるのですが、本当に見ていただきたいのは、もっと根本的なところ。いろんな言い訳や、しがらみもあると思いますが、自分が信じているもの、これだと確信しているものを追求する心を失わないでほしいということ。それは今のコロナ禍に関係なく、自分がこの作品で学んだ大切なことの一つでもありました。
◆取材・文=馬場英美
2月4日(金)公開
声の出演:堤真一、竹内涼真、杏/木村日翠、阿部敦、安原義人、桜井トオル、藤真秀、中博史、玄田哲章、西村知道
原作:上橋菜穂子「鹿の王」
監督:安藤雅司 宮地昌幸
脚本:岸本卓
主題歌:milet「One Reason」
アニメーション制作:Production I.G
配給:東宝
公式サイト:shikanoou-movie.jp
(C)2021「鹿の王」製作委員会
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