担当編集・森上舞子氏「当たり前の日常がきっと変化する作品」
――「君が落とした青空」は2012年の出版から現在に至るまでの9年間、スターツ出版のレーベル内で売上トップを記録し続けていると伺っています。読者の心をとらえ続ける作品の魅力について、編集者視点でお聞かせください。
本作の最大の魅力は、読者の生き方を変える強いメッセージ性だと思います。映画化を記念したレビューキャンペーンでは、「今日を大切に生きようと思った」という声が沢山届きました。難しく思えるテーマもタイムリープを通して描かれることで、若い読者にもわかりやすく心に響いているのではないでしょうか。
――「君が落とした青空」は元々ケータイ小説ですが、どのような経緯で書籍化されたのでしょうか。
ケータイ小説アプリ「野いちご」で公開された当初は、もっと甘い恋愛作品が主流で、タイムリープを題材にしたテーマ性の強い作品は異色だったと思います。ですが、作品を読んだユーザーから「泣いた」「ぜひみんなに読んで欲しい」との口コミが広がり、書籍化に至りました。2015年にスターツ出版文庫の創刊作品として再編し刊行した直後には、タイムリープ作品の投稿が一気に増え、「野いちご」サイト内にも大きな影響を与えました。
――「野いちご」の概要やユーザー層、「野いちご」発で人気な作品の傾向を教えてください。
「野いちご」は、女子中高生ユーザーを中心とした小説投稿サイトです。2007年にサービス開始し、毎月約700作品が新規投稿されていて、現在約28万作品を無料で読むことができます。学園恋愛ものが人気です。
――映画「君が落とした青空」試写はいかがでしたか。
監督さんが原作のメッセージ性をとても大切に映画化してくださいました。観た後は、皆さんの当たり前の日常がきっと変化するはずです。福本莉子さんが演じるヒロインの実結が、本当に魅力的で応援したくなって…何度も泣けました!原作ファンが観ても、作品の新たな魅力に気づける映画だと思います。