ブラックホールの真の姿も!「コズミックフロント」の戦略を読み解く
前身番組「コズミックフロント」も含めて7年目に突入した「コズミックフロント☆NEXT」(毎週木曜夜10:00-11:00)。普段あまり意識することのない宇宙にまつわる謎を毎週、1時間に一つずつ分かりやすく解き明かしていく。
柴崎壮チーフプロデューサーは番組について「今年の3月末までに182本の番組を作ってきました。今では世界中の天文学者と仲良くなっていて、『コズミックフロント☆NEXT』といえば、『おお、また来たか』といって取材がOKになるんです(笑)」と自信を見せる。
最新の宇宙研究をベースにして、世界中の自然環境下で粘り強く撮影。2016年3月に放送された、南米・ウユニ塩原で水面と星空が連動する“鏡面絶景”も放送直後から話題になった。人類最大の取材相手である宇宙を相手に“直球勝負”を続け、さらに進化を遂げようとしている。
「この番組での宇宙の最新情報を使い、さらに裾野を広げるための取り組みを今積極的に進めているところです。
総合で4作目まで放送された『忍たま乱太郎の宇宙大冒険with コズミックフロント☆NEXT』も最先端の観測から得たデータやCGを駆使して、より分かりやすく、忍たまたちの力を借りて、子供たちの素朴な疑問を解決していく番組で、ことしも新作を放送予定です。
ファミリー向けには、人気の宇宙物理学者・村山斉氏に、宇宙の成り立ちを分かりやすく解説してもらう特別番組をNHK総合で放送しました。
また、SONYのプレイステーションからは、『コズミックフロント☆NEXT VR 南米星空編』というソフトが出ています。それは、南米ウユニ塩原で撮影した宇宙の絶景をVRで見ると、まさにそこに立っている気持ちになれる。
プレステという性質上、ゲームファンやサブカルチャー的なものに触れる機会が多い層に向けたコンテンツです。宇宙の神秘さ不思議さを直接ターゲットに届けるために考え続けています」。
その先に見据えるものは何だろうか。
「宇宙には謎があるということと、謎を解くということには科学技術が必要で、子供のときに宇宙の映像を見せることが、今後の日本にとってものすごく重要だと思っています。
謎を解くためにどういうことを学んで何をするとそういう謎に迫っていけるのか、どういうデバイスを開発しなければいけないのかという、あらゆることを学ぶことが、科学技術の発達につながっていくはずです」と考える。
また、番組の意外な効用も教えてくれた。
「宇宙の謎に迫ることで、この地球に生まれた奇跡を実感できるんです。生きていく中で私たちはさまざまな悩みを持ちがちですが、この宇宙に自分が生まれた奇跡を考えれば、悩みはちっぽけなことで、乗り越えて生きていけるじゃないかという思いになれるはずですよ」。
直球もますます磨きがかかっており、「コズミックフロント☆NEXT」の今後の驚くべきラインアップを教えてくれた。
「去年、南極の氷底湖を世界で初めて8Kで撮影しました。今から約30年億年前の地球の姿が、地球上で唯一残っていると言われている場所で、それも番組の中で放送予定です」。
さらに、先日世界中の研究者たちが結集して行われたブラックホールの人類史上初の撮影。
「日本の国立天文台を中心とするチームもその研究を分担していて、密着取材しています。ブラックホールの真の姿もお届けしたいと思います」。
毎週木曜夜10:00-11:00
NHK BSプレミアムで放送中