「推理とプラスアルファの部分を楽しみにしていただきたい」
――最後にドラマの注目ポイントや、読者へのメッセージをお願いします。
小泉:僕はやっぱり、有希ちゃんとの、ある意味“バディ感”ですね。そこが、やっていても本当に面白かった。僕は精神分析医で、有希ちゃんは刑事。2人のやりとりが本当に秀逸な脚本だなと思うので、その良さや空気感を感じてほしいです。
リズム感のある作品になっていると思うので、そういった部分も楽しみつつ、事件の推理含めて見ていただきたいです。
美村:この「氷室想介の事件簿」というドラマも原作自体も、加害者が被害者でもあるという視点があるんです。氷室さんがカウンセリングしているシーンの言葉も、気取り過ぎていなくて。
もちろん専門的な言葉は出てきますが、氷室さんが本音で言ってくれてるんだなって感じがします。氷室さんも有希も情は厚いタイプで、人を助けたい思いは共通していて、そこで2人は多分仲がいいんだろうなと思うんです。
その中で、“これは今の人が聞いたら気持ちが楽になるかも…”というせりふもあるので、期待していただきたいです。
小泉:僕が今回、自分のせりふの中で一番好きなのが「意味を求めすぎだ」みたいなところなんです。悩んでいる患者さんに対して「生まれて、生きる。これだけで十分じゃないですか?」と声を掛けるのですが、僕はそこがすごく好きで。自分の人生観にもちょっと重なるような気がしています。
美村:氷室さんのキャラ自体が、無理したりとか競争に参加したりとかしないで、できることをやっているっていう。でも、もっとよくなりたいという思いもあって、その等身大の氷室想介という精神分析医が言うと、よりいっそう“そうかもしれない”と思わされてしまう。推理とプラスアルファの部分を楽しみにしていただきたいですね。