<ドラマアカデミー賞>吉沢亮が主演男優賞 撮影では『普段のテンションを100とすると7万くらいまで爆上げ(笑)』
栄一の持つエネルギーや生命力は大事にしていました
第110回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞では、大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で、近代日本資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一を演じた吉沢亮が主演男優賞を受賞した。尊王派の志士から幕臣に、明治新政府で改革を推し進めた後、民間へ…という激動の人生を13歳から91歳まで演じ切り、「新時代を開拓する若々しさとバイタリティーを感じさせ、最後までエネルギーを持続した」と評価された。
受賞を受けて吉沢は、「思い入れのある大河ドラマ『青天を衝け』で受賞できたのは本当にうれしいです。共演者とスタッフの皆さまに感謝します」と喜びのコメント。
さらに、「渋沢栄一という人物は生涯チャレンジャーであり続け、一生が青春だったというのが演じる上でのテーマだったので、そのエネルギーや生命力は大事にしていました」と撮影を振り返ると、「普段の僕のテンションを100とすると、7万くらいまで爆上げして演じました(笑)」と冗談交じりに語った。
1年間の放送、撮影も長丁場だったが、「(栄一は)年齢を重ねながら成長していく人物なので、それに合わせ僕自身も成長しなければいけない。自分の中にいる栄一にいろいろなパーツを新たにはめていくなど、考えることもたくさんあったので、最後まで気が抜けず、自分と向き合う時間が続きました」と最後まで栄一を生き抜いた吉沢。視聴者からは「国宝級イケメンから見事に脱皮した」といった称賛の声も寄せられていた。
コロナ禍で外食できない中、役作りのため体重8kg増も…
さらに撮影中のエピソードを聞くと、「コロナ禍の中で、主演の自分が感染して撮影をストップさせるわけにはいかないという大きなプレッシャーもありました。外食も飲み会にも一切参加せず、でも、後半は中年以降の栄一を演じるため、たくさん食べて体重を8kg増やしました。朝はしっかり、昼は大盛りのご飯、間食でおにぎり、夜もがっつり食べて寝る前にビールとカップラーメンというような生活を続け、元々は少食なので、それが一番ストレスでしたね」と苦労話も。
ただ、「現場に行けば、素晴らしい共演者の皆さんと一緒にお芝居できるので毎日、ワクワクしていました」と充実の撮影期間でもあった様子。クランクアップ時には「その瞬間、初めての経験ですが、涙が込み上げてきました。ここまでじっくりと役柄や作品全体のことを考え、栄一という人物をここまで深く好きになって、ようやくこの芝居ができるのかと…。今後も心から愛せる役や作品をやっていきたいという思いが、より強くなりました」と心に刻まれる作品になったことを明かしていた。
(取材・文=小田慶子)