役作りや共通点についても明かす
――清水さん演じる上条知樹(かみじょう・ともき)は、どのようなキャラクターですか?
一言で言うとミステリアスです。第1話では、底が知れないような出方をしているので、そういった部分が後々生きてくるように、後につながっていくようなお芝居ができればいいなと思っています。
――上条は10年前に世間を震撼させた凶悪少年犯罪事件の真犯人「少年A」といううわさのある青年という役どころですが、演じるうえで心掛けたことや意識したことを教えてください。
遊川さんに「もっと棒読みで良いです」「もっと無機質な感じで、不気味な雰囲気が出るように」と言われていてあまりにも抑揚や感情という成分を抜いてお芝居をしているので、最初は「これでいいのかな?」と少し不安でした。
基本的にはどんなせりふにも感情というものがあるわけで、そこに気持ちを乗せてお芝居をするのですが、そこをカットするのですごく難しいです。どういうあんばいがいいかというのは、毎回モニターチェックをさせてもらって、その日に監督ともお話をさせてもらって現場で作っていっているという感じですね。
――ご自身と、役との共通点はありますか?
中身で言うとそんなに共通点はないかもしれないです。僕は、一見クールに見えるようで全然そんなことはなく普段は結構ヘラヘラしていますし(笑)。
――役柄に説得力を持たせるためにしていることはありますか?
通して見てもらってこその役だと思っているので、後半にいくにつれて、彼の背景にどんなものがあるのかという部分がより伝わるようにと考えています。視聴者の方が見たときに、前半の部分のお芝居が効いてくるようにしていきたいと思っているので、なるべくあまり逸脱した行動をしないように、流れはすごく意識して演じています。常に先を考えた上でお芝居をしています。
――初登場シーンが重要だったかと思いますが、どのような演技プランで臨みましたか?
そうですね…。ずっと顔が動かないので(笑)、「こんなことをしてやろう」とか「ドーンと出てやろう」というのは考えませんでした。本当に感情を一切前に出していないです。既に「少年A」とうわさされているという前振りがあるので、いろいろな見え方をしていいなと思っていて、「本当に怪しいな」と見える人もいれば、「案外若いんだな」というような印象を持つ人もいる。人によってどう受け取ってくれるんだろうというのは今から楽しみではあります。
――難しい役柄ですが、カットがかかってから、どのように気持ちを切り替えて現場の方々とコミュニケーションを取られていますか?
僕、皆さんよりクランクインが少しが遅かったんですよ。わりと空気が出来上がっていた状態に途中から参加させてもらって。しかも役どころも結構浮いている役なので、最初は実際も浮いていたと思います(笑)。
――普段から、積極的にコミュニケーションを取るタイプではないですか?
僕自身は人とコミュニケーションを取るのは好きですね。ただ今回においては特に子役の子たちとか、急に来たデカい無表情なやつに急に話し掛けられても怖いだろうなと思うんですよ(笑)。これからの撮影でで徐々に皆さんとお話していけたらいいなと思っています。
――ちなみに現場ではどのような雰囲気が出来上がっていたのですか?
松本さん上戸(彩)さんはじめ、ご家族の方たちが、空き時間もラフにお話しされていて、冗談を言い合ったり、笑い合ったりしています。見ていてすごくほほ笑ましいというか、子役の子たちとも仲良くお話されています。子どもたちも変に気を遣いすぎているわけでもなく楽しくお芝居しているなと見ていて思うし、「すごくすてきな絵面だな~」とちょっと離れたところから見ていました(笑)。