「おはよう」「ごめんね」の功罪
地球滅亡と、両親の蒸発。明るくごく普通の青年に見えた宙は、二重の苦しみを抱えていた。「おはよう」「ごめんね」。ともに、たった4文字の何気ない言葉。その言葉が宙を喜ばせもするし、傷つけもする。ささいな言葉から人と人との心の距離を繊細に感じ取る宙。その感情の機微を、奥平が丁寧に演じている。
2020年に映画「MOTHER マザー」のメインキャストに大抜擢され、デビュー作にして名だたる映画賞の新人賞4冠を達成した奥平。今年も、映画「マイスモールランド」(5月6日公開、NHK BS1にて3月24日にドラマ版が放送)をはじめ多数の作品に出演している。
「サヨウナラのその前に」でも、地球滅亡直前というあり得ない緊急事態の中で何気ない日常に感情を揺さぶられる宙を瑞々しく演じている。刻々と隕石衝突が迫る中、宙がこれからどう成長していくのか注目したい。