モデルでタレントのトラウデン直美が3月18日、都内で行われた「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」キックオフイベントに、オンラインで参加した須賀川拓監督とともに出席した。
女性アンバサダーに就任
TBSの新たなブランド「TBS DOCS」のメインイベントとして、3月18日~24日(木)に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷にて開催される「TBSドキュメンタリー映画祭 2022」の女性アンバサダーに就任したトラウデン。これまでドキュメンタリーにはあまり触れてこなかったそうだが「見たものはすごく鮮明に覚えているくらい、ドキュメンタリーはインパクトの強いものと感じているので、これを機に私もたくさんドキュメンタリーを見たいなと思います」とコメントした。
[BUTTON_TABhttps://thetv.jp/news/detail/1076517/10737580/)]【写真】ウクライナで取材中の須賀川拓監督はオンラインで参加
須賀川監督がメガホンを取った「戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実」を見た感想を求められると「言葉にするのは難しいですよね。今の世の中の状況を考えても、すごく複雑な思いがありました」としみじみと語り、「日常と非日常の恐怖が入り混じった世界で、明日が不安なのに生きていなければならない、家族を失ってどう生きていったらいいのか分からないという状況でも生きていないといけない状況って、映画を見て状況を理解することができても、その感情を心に浮かべることは無理だろうなと感じました」と沈痛な面持ちを打ち明ける。
加えて「現地に行かないと分からない緊迫感、緊張感、空気感もあるんだろうなと思うので、ドキュメンタリーはそういったことを考えるきっかけになるんだろうなと思いますね。『戦争の狂気』は私の中にもズシっと重いインパクトを残しました」と語った。
須賀川拓監督がウクライナからオンラインで参加
また、ウクライナのオデッサで取材をしている須賀川監督もオンラインで参加し、トラウデンから現地の様子を聞かれ「街の様子は至って平常運転といいますか、緊迫感はそんなにないですね。ただ私の後ろには土のうが積まれていたりして、今回の戦争に限らずほとんどの戦争って戦争は銃弾が放たれる直前、砲弾が落ちる直前まで普通の生活をされているんですね。その場所が戦場と化すのは0か100で、何かが飛んできたらその瞬間にそこは戦場になります」と話す。
戦地で取材を続ける理由については、「実は戦争が終わってからが地獄」と言い、「戦争って始まったときはメディアに注目されるんですが、だんだんと世の中の興味が失われていって、『停戦です』となった瞬間に“良かったね”って次の話題に移ってしまう。でも、そこから先が地獄で、それをちゃんと伝え続けていくことで、彼らへの支援がつながってほしいなという思いで取材しています」と胸の内を明かした。
その後も、須賀川監督に質問を重ねたトラウデンは、最後にあいさつを求められると「今、須賀川監督からとても貴重なお話を聞くことができたんですけれども、すごく不思議な気分になりました。センセーショナルになりたいのは私たちなのかもしれないなと思ってしまって、まだまだお話を伺いたかったんですけれども、今回の作品からも、今のお話からも、自分自身の反省とともにいろいろ考えることがありました」と吐露。
「今後も危ない中ですけれども、私たちにいろいろ情報を伝えていただけるとうれしいです。本当にありがとうございました」と須賀川監督に感謝した。
◆取材・文=風間直人