ファンにも推しの健康を自分事としてとらえてほしい
SHOWROOMとタッグを組むことで竹中さんが目指すのが、アイドル界全体の健康リテラシーの向上、特にファンを巻き込んだ意識改革だ。
「ファンの方々に、推しのアイドルの健康を自分事としてとらえてほしいんです。実際『推しの健康は自分の幸せ』と思ってくれているファンの方も多いので、ファンが関われる仕組みを作りたいと思っていて。その一環として、ファンがSHOWROOMのギフト機能を使って、アイドルジムのレッスンチケットをプレゼントできる仕組みを作る予定です。他にも、私、遠藤さん、酒井瞳さん(元アイドリング!!!メンバー)のトレーナーたちで、定期的に『今月はこういうトレーニングをした』『こういうメニューを受けたいという声があった』というフィードバック会を配信したいと思っています。オープンにすることで、アイドルたちがどんな問題をクリアにしたくてジムに通っているのかがファンの方にも伝わると思うし、アイドル界全体の健康リテラシーを向上させたい。万が一健康に関する問題を軽く考えているマネジメントがいたとしても、ファン側の意識が高ければアイドルをケアせざるをえないと思うんですよね。関係ないことじゃないんだよ、ファンの方々もみんな一緒に考えていこうね、と言いたいです」(竹中さん)
プロジェクトの告知時点でアイドルファンからも大きな反響があったという。「まだファンの方が直接関われる部分は具体的に始まっていないんですが、『推しに教えてあげよう』というコメントもあって。愛があるな、世の中まだまだ捨てたもんじゃないなと思いました」(竹中さん)
まじめなアイドルほど相談できないというケースも
しかしアイドルの健康面のケアは、本来マネジメントが責任を持って行うべきことでもあるだろう。なぜそこが抜け落ちてしまうのかを竹中さんに尋ねた。
「あえてケアを軽視しているというよりも、単純に健康問題に気づいていないマネジメントが多い気がします。それはアイドル本人たちも自分の不調を『我慢すればいいや』と思ってしまいがちだから。若いので自分の健康状態の比較対象がなかったり、不調があっても大事だと思っていなかったり…あとはまじめでやる気のあるアイドルほど、マネジメントに心や身体の不調を伝えることで『やる気がない』と思われるのを恐れて相談できないという場合もあります。距離の近いマネージャーやメンバーには話せなくて、時々会う振付師の先生だからぽろっと話せる、みたいなことがあって。でも私が面倒見てあげられるのは教え子のアイドルたち、それもかなり信頼関係を築けている子たちだけだから、そういう相談をできる相手がいないアイドルもいるかもしれないというジレンマがありました」この葛藤が、今回のプロジェクトにつながった。
円谷さんはアイドル界の健康軽視の傾向について「かなり長年『ストイックなのがいいこと、エモい』みたいな風潮があった」とも指摘する。かつてはグループ内がピリピリしている方が良しとされ、メンバー同士の仲がいいと「プロ意識が低い」とみなされるような時代もあったという。「でも『仲良し尊い』『メンバー愛が好き』というファンの方が増えたから、業界の内側が変わっていった感じです。だからファンの方のムード作りは本当に重要」(竹中さん)
https://www.showroom-live.com/campaign/idolgymproject
竹中夏海さんTwitter
@tknkntm