モデルの嵐莉菜が4月11日、都内で行われた主演映画「マイスモールランド」(5月6日[金]公開)の完成披露試写会に、共演の奥平大兼、メガホンを取った川和田恵真監督と共に登壇した。
本作は在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の在日クルド人の主人公・サーリャ(嵐)が、理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく物語が描かれる。
嵐莉菜「不安は常にあった」
映画初出演にして、初主演を務めた嵐は、プレッシャーを感じたか尋ねられると「周りに演技の先輩が多かったので、私が足を引っ張ってしまうんじゃないかという不安は常にあったんですけど、私ができるサーリャを精いっぱい出そうという気持ちで頑張りました」と回顧。
オーディションを合格した際の心境については「この役を絶対に演じたいという気持ちがあったので、その願いがかなってすごくうれしかったですし、でもちょっと不安はありました(笑)」と当時の心境を明かし、「この作品は、私が初めてながらたくさんの方々に支えられて、たくさんの方と作り上げた私の一生の宝物の作品です」とアピールした。
また、嵐と共演しての感想を求められた奥平は、撮影中に自身が初めて映画の撮影をした際のことを思い出すことがあったそうで「嵐さんは現場で明るい子だったんですけど、僕は最初、不安や緊張もあったのでこんなに明るかったかなと思って。嵐さん本人はそう思っていたかもしれないけど、それを周りに見せずに堂々とお芝居ができていてすごいなと思いました」と嵐を称賛。
「だからこそ、堂々とお芝居をされているところを見て、僕もそのお芝居に対して反応することができましたし、年下の子とお芝居をしたことがなかったので、なんて話し掛けていいのか分からなかったんですけど、嵐さんから話し掛けてくれたので助かりましたし、しっかりしているなと思いました」と感謝した。
一方、嵐は「本当に心強くて、業界用語とか分からないことが多かったんですけど、気軽に聞ける存在だったので、撮影が最後までできたのも奥平さんのおかげもあったので、本当にありがたい存在でした」と、奥平の印象について語った。
自身の演技で監督が号泣
本作は、世界三大映画祭の一つである「ベルリン国際映画祭」において、日本初の栄誉となるアムネスティ国際映画賞“特別表彰”を受賞。加えて、初主演、初監督など“初”尽しとなったことにちなみ、イベント内で印象に残っている初体験を語る場面も。
嵐は、本作のクライマックスの撮影で自身が涙したシーンを挙げ「カットがかかって監督のところに行ったら、監督が号泣してくださっていて。自分の演技を人が見て感動してくださったり、感情を動かすことができたというのがうれしくて、ここまでやってきて良かったなと思いましたし、残りも努力し続けようって思いになって本当にうれしかったです」と振り返り、「私の人生で一生忘れない初体験でしたね」と目を輝かせた。
◆取材・文=風間直人