言葉としての面白味があるんだけど、しんちゃんっぽさもある
そんな穴見の楽曲に歌詞を付けたのはギターの小林。その経緯を聞くと――。
穴見「最初のコンペの段階で壱誓が『俺歌詞書くよ』て言ってくれて、そこからすぐに書いてきたのでびっくりしました」
小林「自分の曲より先にやりました(笑)。別の曲のレコ―ディングが夜に終わって、そのまま朝まで書いて。真吾を驚かせたいなと思ったんです」
穴見「その日のレコーディングが結構長くて、23時ぐらいに機材を全部しまい終わって帰って。家に着いてすぐ寝て朝8時ぐらいに起きたんですけど、朝の5時、6時くらいに歌詞のLINEが来ていて、『マジか!』と思いました。すごくいい歌詞で、特にサビの『晴のち雨のち腫れのち七色』っていう一行に感動しました。言葉としての面白味があるんだけど、しんちゃんっぽさもある」
小林「『クレヨンしんちゃん』作品というよりは、真吾が言ったように家族で見に行く映画だと思ったので、大人の目線で子どもたちに未来を期待させたいなと思って書きました。アニメの制作サイドの方と打ち合わせをしたときに、今まで『クレヨンしんちゃん』では寂しさや悲しさをあまり見せないようにしてきたんだけど、今作は劇場版30作品目ということもで、これまで見せてこなかった弱々しい部分や『ちゃんと5歳なんだよ』というところを見せていきたいとおっしゃっていたんです。だから、そういった感情に寄り添える歌詞にしたいと思いました。あと、“普通”があることの奇跡を描いている作品だとも思うので、寂しさや悲しさはなぜ感じるのかというふうに考えていって、それはきっと普通に幸せを日々感じているからなんだよと逆説的に伝えたかった」
長屋「これまで壱誓の歌詞は、自分たち目線だったり、上にある理想や未来を歌っていることが多かったけど、今回はしゃがみこんで5歳の子どもの目線に合わせているような印象があって、ここまで目線を低くした曲ってなかったなって思いました。だからこれまで届けられていなかった層にも届けられる曲だと思います」
収録曲●陽はまた昇るから/時のいたずら/陽はまた昇るから-Instrumental-/時のいたずら-Instrumental-
緑黄色社会=写真左からpeppe(Key.)、穴見真吾(Ba.)、長屋晴子(Vo.&Gt.)、小林壱誓(Gt.)。高校の同級生だった長屋と小林とpeppe、小林の幼馴染の穴見で2012年に結成。2013年に10代限定ロックフェス「閃光ライオット」準優勝を機に本格的に活動をスタート。2018年に1stアルバム『緑黄色社会』をリリース。以降、映画、ドラマ、CM曲に多くの楽曲が起用され話題に。アルバム『Actor』が発売中。現在6月まで続くホールツアー「Actor tour 2022」を開催中。
公式HP=
https://www.ryokushaka.com/