俳優の松坂桃李が5月13日、都内で行われた映画「流浪の月」初日舞台あいさつに、ダブル主演の広瀬すず、共演の横浜流星、多部未華子、内田也哉子、メガホンをとった李相日監督とともに登壇した。
凪良ゆうの傑作小説を実写化した同作は、広瀬と松坂によるダブル主演作。10歳の時に誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かないさらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の青年・佐伯文(さえきふみ)を松坂が演じる。
役作りのため撮影前に減量
松坂は役作りのために体重を落として撮影に挑んだが、本作の情報解禁前はちまたで「激やせ」と話題に。これに、松坂は「情報解禁前だったので言うに言えなくて、『激やせで何かあったのか?』って言われていましたけど、『そのうち分かるだろうな』くらいの感覚でいました」と告白。
李組での撮影については「僕自身、今までにないくらい役との向き合い、作品との向き合いというものを、じっくりと時間をかけました。こういうアプローチを初めてやらせてもらえた場所でもあって、それが自分の中でもちろん“楽しい”ということではないんですけど、ここまでやれるのか、でもここまでやっても終わりがない感じというのを初めて体験しました。自分の中で、この仕事を続けていく上で大切なことを教えてもらったなと思っています」と感慨深げに語った。
雑炊をおいしそうに食べる松坂桃李
また、李監督は松坂の最後の出演シーンを撮影後に洋食店へ誘ったそうで、「なんでも食べてちょうだいということでしたが、最初に注文したのが雑炊でした」と明かして笑いを誘うと、松坂は「『胃に優しいものありますか?』って言ったら作ってくれて、(食べる)手が止まりませんでした」と感謝。
李監督は「あんなに雑炊をおいしそうに食べる人、初めて見ました。あの笑顔を見られただけで罪悪感が全部落ちていきました(笑)」と胸を撫でおろしていた。
◆取材・文=風間直人