女優でフィギュアスケーターの本田望結が出演する映画「きさらぎ駅」が、6月3日(金)より全国公開される。本作は現代版“神隠し”として有名な都市伝説を映画化したもので、異世界にある「きさらぎ駅」の怪異を追う女子大生・堤春奈を恒松祐里が演じ、本田は春奈がきさらぎ駅で出会う女子高生・宮崎明日香役を務める。「女優とスケート、どちらかを辞めたら本田望結ではなくなってしまう」と二刀流の覚悟を毅然と話す本田だが、インタビュー中には17歳らしい屈託ない笑顔も見せてくれた。多忙な日々を送る中、彼女が実践する毎日を楽しく過ごすための秘訣とは?
追い込まれたときに現れる、人の素の姿
――ホラー作品への出演は初。演技についてはどう考えて臨みましたか?
まず、台本を読んだときにとても面白い作品だと思いました。その上で、ホラーはお客さんを怖がらせたり、驚かす作品。お芝居だけでは伝わらない動きというのがあるので、そこに対してどういこうかというのは確かに最初は考えました。でも、撮影スケジュールを見たらリハーサル時間がかなり長く取ってあったんですね。それであれば監督と相談しながら作っていくのが一番いいだろうと、自分ではあまり作らずに、現場にはセリフだけを入れて行った感じです。
――動きでいうと、予告編の映像。一人称視点で捉える役者の様が、鬼気迫る様子で印象的でした。
あのシーン、一台のカメラで私たちを追い掛けて、ほぼワンカットで撮っているんです。右に左に動くから、スタッフさんは映り込まないように遠くに離れていて。広い場所でカメラ対キャストだけで撮っていたので、私たち自身が感じる臨場感もすごかったですね。だからこそ難しかったのが動きの部分。セリフやお芝居は大丈夫でも、カメラと私たちが合わなくて撮り直しというのは何度かありました。それぐらい動きでの見せ方が大事な現場でした。
――演じた宮崎明日香は本田さんと同じ女子高生です。ホラーであることとは別に、どういう役作りを考えましたか?
明日香はとてもしっかりした子なんですけど、年齢は登場人物の中で一番下。高校生だけど、大人から見たらまだ子どもですよね。そういうところであまり大人っぽくならないように、というのはすごく考えました。みんなの中で一番驚いていたり、一番怖がっていたり、ときには強がっていたりとか。大人たちとの差というか、子どもであることのお芝居は大切にしたところです。
――予告編のときのコメントで、「究極に追い込まれたときの人の生き様。洗いざらいの素の姿。人の裏の顔を覗きに来てください」と述べています。どういう意味の言葉でしょう?
これはぜひ観ていただきたいところでもあって、人は究極に追い込まれたときにどういった行動をするのか、どういう顔を見せるのかというのが作品の1つのポイントになっています。映像的にはホラー感が強いんですけど、実際に映画を観ると、怖さより、人の内面が描かれているのが分かると思います。「大人なのに、子どもなのにどうして?」って。そこに現れてくる裏の顔、素の姿。きっと観終わったあとには「怖かったね」だけでなく、心が動く別の感想が生まれてくると思うので、ホラーが苦手な方もぜひ映画館に足を運んでもらいたいです。
映画「きさらぎ駅」
公式サイトhttps://kisaragimovie.com
6月3日(金)より全国公開
監督:永江二朗/脚本:宮本武史
出演:恒松祐里、本田望結、莉子、寺坂頼我、木原瑠生、芹澤興人、佐藤江梨子
製作:2022「きさらぎ駅」製作委員会
配給:イオンエンターテイメント/ナカチカ
(C)2022「きさらぎ駅」製作委員会