――でも、有野晋哉さん演じる磯崎が家に頻繁に出入りするのも、母親を取られちゃうかも?という嫉妬心のような感情が出ていましたよね。
そうですね。お母さんがお父さんとは別の男性と仲が良くて、それも自分の知っている人だったので、嫌なんですけど面と向かって嫌とも言えない。でも、やっぱり嫌だという思いがあるからこそ、自然と態度に出てしまう。そういう不器用なところが出ていたかなと思います。
――その有野さんとは現場でお喋りしましたか?
たくさんお話しました。とても面白い方で、演技や映画についての話というより、たわいない話をする感じでした。結構私の学校の話をしました。
――また、主題歌も担当されている植田真梨恵さんとの共演はいかがでしたか?
植田さんともたくさんお話をさせていただきました。役のキミエさんとしては泥酔して寝ちゃったり、かなりのインパクトのある方だったので、ギャップに驚きました。
役として考えると、杏子は最初キミエさんに冷たく当たっていたんですけど、だんだん打ち解けていって、最後には信頼していて任せている部分もあって、杏子ちゃんにとってはとてもいい出会いだったと思います。
――劇中では「まわりくるもの」も歌っていましたが、生歌はどうでしたか?
あんなに間近で植田さんの歌が聴けて感動しました。杏子としても私自身としても、いろいろなことを考えながら聴けたかなと思います。それに撮影後、植田さんにライブDVDを頂いて、それを見てまた感動しました!
――銚子での撮影は情緒もありそうですが、銚子の魅力は?
やっぱり地域一体化と言いますか、つながりがとてもある街だなと思いました。美しい自然もあってどの場所を撮っても画になりますし、銚子での撮影は本当に楽しかったです。
――銚子電鉄にも実際乗られたんですよね?
はい! 初めて乗せていただいたんですけど、ゆったりしていて、乗客の皆さんも温かくて、電車を通して新しい出会いもあるのかなというのを感じました。とても貴重な体験をさせていただきました。
――駅伝は銚子電鉄の横を走ったそうですが、どうでしたか?
銚子の方々もたくさん応援してくださって、本当に楽しかったです。一つの思いを胸に走っているのもそうですし、みんなでたすきをつないで走るというのもいいですよね。折り返し地点でも“ドラマ”があるんですけど、そのシーンもいいなあって思いました。
ただ走るだけではなく、みんなの思いを胸に走るというのは魅力的ですよね。それに結構な距離を走ったので、疲労感も出せました。
――他に印象的なシーンはどこでしょうか?
あるシーンで、実際に運行している電車とピッタリ合わせないといけなかったのですが、スケジュール上2回くらい撮るチャンスがないと言われていたのに、1回目はドアが開かなくて駄目になっちゃったんです。
あと1回しかない!となったとき、本当に緊張して、「どうしようどうしよう!」って焦っていました。無事に撮影ができて本当に良かったですし、それもあってとても印象に残っています。
――映画から離れて、昨年末にインタビューさせていただいたとき「そして誰もいなくなった」を読み始めたと仰っていましたが、読み終えましたか?
はい。そして本当に怖かったです! もともとあらすじは知っていたんですけど、実際に読んでみると、物語的に人間不信になっちゃうというか、誰も信じられなくなっちゃいました。そういう人間の怖い部分も出てくるので、怖かったですけど面白かったです。
――そして春真っただ中ですが、春になると読みたい本や見たい映画などはありますか?
春は青春ものの映画を見たり、本を読んだりしますね。青春漫画の実写化されているものはドンピシャですね!
――高校も2年生に進級されましたが、意気込みは?
やっぱり勉強を毎日コツコツやることが大事だなと思っています。1年生は科目が多いので、一つのことを集中的にやるってことはできなかったのですが、2年生になって文系を選択したので、文系科目をコツコツやろうと思います。
試験前に慌ててやるんじゃなくて、試験の日も余裕で復習できるくらいになれたらいいですね。
――では、最後に「トモシビ」の見どころをお願いします。。
駅伝を通してそれぞれの人物が変わっていくところを見ていただけたらいいなと思います。心情の変化だったりつながりの変化だったり、ストーリーの中であるので、いろいろな人の立場を考えながら見ていただけたら楽しめるんじゃないかなと思います。
そして私の走るシーンも注目してください!
5月20日(土)より、東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開。千葉・イオンシネマ銚子、イオンシネマ幕張新都心で先行公開中