TVアニメ「彼女、お借りします」(かのかり)の第2期が7月よりAT-Xほかで放送される。
同作品は、ダメダメ大学生・木ノ下和也と、「レンタル彼女」として出会った水原千鶴、小悪魔的な元カノ・七海麻美、超積極的な彼女(仮)・更科瑠夏、頑張り屋の千鶴の後輩のレンカノ・桜沢墨といった4人のヒロインが織り成すラブコメディ。
今回は、桜沢墨を演じる高橋李依にインタビューを行い、役の魅力や共感する部分、演じる上で意識したことなどを語ってもらった。
――第2期が決定した時の心境は?
「第1期では終盤に出演させていただいたのですが、早めにキャスト発表されていたこともあり『すごく楽しみにしています!』『初登場まだですか?』といったものすごい反響があって、多くの方の期待を背負いながら、私も出番がオンエアされるのをドキドキと待っていました。オンエアが終わって『かのかり、面白かった!』と言ってもらえたのが、後半を盛り上げる役どころとして本当に安心したんです。そして、2期が決まったと聞いた時には、かのかりチームの一員としてただただ純粋に嬉しかったです」
――台本を読んだ時の感想は?
「第1期の頃よりも墨ちゃんがかなり行動的になっていて、『うまくできない』といった反省みたいなものではなく、『これをしてみたい!』とか『次はこうしたい!』というやる気に満ちあふれた墨ちゃんがいっぱい見られました。私も意気込んで、墨ちゃんの気合をしっかりと受け止めました!」
――墨ちゃんの魅力は?
「私がすごいなって思うのが、自分が人見知りだって分かっている中で『自分を変えたい!』と、レンタル彼女という職業に飛び込んでいるところ。本当だったら落ち込んでもいいところだし、レンタル彼女をやりながらでも落ち込むこともあるはずなのに、それでも続けて変わろうと進んでいる、"実はエネルギーたっぷり"な姿が魅力だなって思います」
――墨ちゃんとの共通点は?
「墨ちゃんってモノローグが多いというか、頭の中で考えていることがたくさんある子なんですよね。『彼女、人見知ります』のスピンオフなどを読んでいると、そんなモノローグの時に、『分かる、分かる!ここ、いっぱい考えちゃうよね』ってポイントポイントで共感していました」
――演じる上でのこだわりは?
「台本を見ると、せりふの部分が『...。』とか『!』と書かれているのですが、それをそのまま音にしすぎないようにしていました。例えば、『!』の中でも『あっ』って言った方がいい時もあれば、『うっ』って言った方がいい時もあったり。『せりふには載っていないけど、これだったらちょっと声が出ている方がいいかも』と感じたり。ト書きや映像、総合的なバランスを考えて、リアクションを判断していくという作業をしていました。
あと第1期では、和也くんと初対面ということもあり、墨ちゃんがすごく緊張していて『一声出すだけでも結構筋肉が固まっているかな』という印象があったんです。第2期では減ったのですが、声を発する時にはちょっと力んでいるような、体が固まった状態で発音できたらいいなと努めていました」
――和也の言動でドキッとした瞬間や、キュンとした場面は?
「和也の言動でもありますが、『タイミングもすごいな!』っていうところですかね。千鶴と麻美ちゃんのカラオケにたまたま気付き、歩道橋まで追いかけ、千鶴の一番カッコいいところを聞いているのって本当にポイントが高いなって!視聴者的にも『今の千鶴の発言は聞いていてほしい!』って思うし、私的にも千鶴の大好きなシーンでもあるので、そこに居合わせる和也にキュンとしました(笑)」
――墨ちゃんと同じくらいの年齢の時の思い出を教えてください。
「高校を卒業してすぐに声優の養成所に入ったので、声優業界についていろいろ学んでいこうという時期でした。大好きな声のお仕事に関して学べる環境にすごくわくわくしていて、『毎日これを続けていけば声優に一歩ずつ近づけるんだ』と本当にキラキラしていましたね。
一番最初に参加させていただいたアニメ作品では、これから夏休みになるというシチュエーションで、どんな予定かを話しているモブの一人の役でした。せりふとしては「うちも家族旅行!」という一言だったのですが、当時『一言のせりふでも何パターンも考えていきなさい』と教わっていたこともあって、『この一人称はもしかしたら関西出身かもしれない...』などいろいろ考えてしまって...。今となっては『モブに過剰な個性はいらん!』って思うんですけど、当時は考え過ぎていましたね(笑)」
――今年はデビュー10年目ですが、現在の心境は?
「デビュー1年目の頃から『初心忘れるべからず』という言葉を常に意識していたんですけど、振り返ってみると『10年間思い続けることってできるんだな』と。"変わっていいこと"と"変わらないでいたいこと"への判断を続けながら、お仕事をいただけることへの感謝や、もっともっと上手くなりたいという向上心は、今でも持ち続けられているかなと感じています」
――10年を振り返って"成長できたところ"は?
「『その現場で求められていることを一緒に考えていっていいんだな』という感覚を学べました。ディレクションをいただいたり、指示をいただくと、つい『できていないんだなあ...』とか『私って駄目なんだな』って思ってしまいがちなんですけど、それは『作品をもっと良くしたいから』とか『もっとこういうものを聞いてみたいから』という前向きなものなんだというふうに捉えられたのは大きな変化だなと思っています。
そして、これからも引き続き各現場で『どういったものを作りたいのか』という共通言語探しというか、私の抱く印象とスタッフさん方の目指す先が同じ物を見つめられるように、いろいろ尽くしたいと思いますし、自分の感性を磨いていきたいなと思っています」
――逆に"もっと成長したいところ"は?
「新たな役柄への挑戦というのは常にあるのですが、10年間やらせていただいてきた中で、 ありがたいことに同じキャラクターを長く演じる機会に恵まれまして。そういった継続キャラクターの声色や考え方というものを、この先担当キャラが増えても忘れないよう、継続することの難しさに挑戦していきたいです」
――声優という枠を超えてさまざまな分野でご活躍されていますが、今後やってみたいことは?
「表に出ない仕事であれば、アニメの宣伝、プロモーションを考えてみたいです。自分が作品の楽しさを共有するのがすごく好きな性格なので、『こういうふうに伝えたらもっと届くんじゃないか?』とか、『こういうアプローチはどうか?』など、仲間と一緒に考えてみたいです!」
――最後にファンの方、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
「皆さまの応援のおかげで『彼女、お借りします』2期を迎えることができました。原作を読んでいる時から演じてみたかったあのデートが、もしかしたら2期では見られるかも?ぜひ墨ちゃんが紡ぐ言葉は聞き逃さないように!引き続き『かのかり』の応援、よろしくお願いいたします!」
文=原田健 撮影=皆藤健治
【放送情報】
彼女、お借りします #13
放送日時:2022年7月11日(月)9:30~
チャンネル:AT-X
※放送スケジュールは変更になる場合があります