二宮和也が8月14日、都内で行われた主演映画「TANG タング」公開記念舞台あいさつに、共演の満島ひかり、小手伸也、奈緒、京本大我(SixTONES)、メガホンをとった三木孝浩監督とともに登壇した。
本作は、イギリスのハートウォーミング小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」が原作。無職で妻に家を追い出されたダメ男・春日井健(二宮)が、ある日、庭に現れた記憶をなくした迷子のポンコツロボット・タングと出会い、タングの持ち主を見つける旅を通じて、再生していく物語を描いている。
今年初という浴衣姿で登場した二宮は、「こういう機会がないと着られないのでありがたいですね。雑誌とかでも着る機会がありましたけど、しばらく雑誌に出ていないので、こういう機会がないと着られないので新鮮ですね。夏だなって感じがします」と声を弾ませ、満島は「浴衣って言われたんですけど、単衣の夏の着物で来ました。自前です。沖縄の柄で、タンスに眠っていたものを着させていただきました」と笑顔で語った。
また、本作を何度も見る人(#おかわりタング)へ、1回見ただけでは分からないかもしれないが、すごくこだわった部分や、注目ポイントを聞かれると、満島は「この映画は全体的にリアリティーのある場面と、お遊戯会のような面白さがある場面があって、私は見ていて好きで。だって二宮さん、あんなに吹き飛ばされているのに血も出なければアザもついてなくて超人の役なのかなって(笑)」と笑い、「だから違う角度で楽しむことができるというか、健がどんどん超人になっていくところですね」とオススメ。
二宮は「VFXの技術の高さを何度も体験していただきたいなと思うんですけど、タングの頭から健を撮影している映像は、実際にこの実機を使っていて、そのシーンが何個もあるので、それを予想しながら見ていただきたいです」と呼び掛けた。
さらに、本作のプロモーション活動の中で「この映画は誰でも失敗しても必ずスタート地点にまた戻れる。そんな映画だと思います」と言っていたそうで、改めてその言葉の意味を尋ねられた二宮は「…言ってましたよね。あれか…。僕が言ったんですよね?」と遠くを見つめつつ、「こういう世の中だからこそ、諦めることがくせついちゃうような、年月がたって思考回路が変わった人も多い中で、映画というエンタメの世界が“みんなで前を向いて頑張ろう”とか、“思い切り踏み出そう”ということを前面に押しすぎると、見る人もつらかったり、苦しかったり、前を向きたくない人までも向かせてしまうのではないかという不安もありました」と吐露。
「この映画を撮り終わった後に、一歩を踏み出すことの大切さよりも、失敗した人間がスタート地点に戻ってきて、そこからどうスタートしても自由なんじゃないかという後味になればいいなと思ったし、そういう後味になったので、リスタートをどう切るかは自分で決めて、自分のペースでいけばいいんじゃないかなというふうなメッセージが伝わればいいなということを、二宮は言いましたね」と熱弁。観客からは拍手が送られた。
◆取材・文=風間直人
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