8月23日、映画「百花」の大ヒット祈願イベントが東京・浅草寺伝法院で行われ、母子役を演じた菅田将暉と原田美枝子が出席した。
記憶を失っていく母と向き合う
「百花」は川村元気の同名小説を、原作者である川村自身が監督・脚本を手掛けて映画化したもの。記憶を失っていく母と向き合うことで母との思い出を蘇らせていく息子・葛西泉を菅田将暉が、全てを忘れていく中で様々な時代の記憶を交錯させていく母・百合子を原田美枝子が演じ、親子の愛を紡ぎ出している。
都内最古の寺・浅草寺の本堂でヒット祈願が行われ、その後、国の重要文化財に指定され、普段は入ることのできない伝法院にて祈願報告会を行った。
本堂でのヒット祈願について、菅田は「すごい気持ち良かったです。音とか隙間を流れる風とかの物理的な気持ち良さもあるんですけど、じっと目を閉じて聞いているとスーッと溶けていくような感じがしました。ヒット祈願って気を張りますし、ちょっと疲れたりするんですけど、全然疲れなかったですし、癒された感じがしました」と清々しい表情で語った。原田も「きっとそれは観音様の波動だと思います。本当に穏やかで静かになれる時間でした」と振り返った。
完成した作品を観た感想を聞かれると、菅田は「観た時、ちょっと安心しました。現場では1シーン1カットで撮っていて、チェックする間がなかったり、1シーン撮るとヘトヘトになってしまって振り返る余裕がなかったんです。なので、安心しました」と回答。
1シーンを1カットで撮る“長回し”での撮影については、原田は「大変でした」と答え、「何秒間かを集中するのと、3分とか5分を集中するのとでは全然違いますし、最初は監督の求めているものが全然分らなくて、“一体何を撮りたいんだろう?”って謎でした。でも、監督が“奥のもの”を映し出そうとしているのが分かった時に信頼関係が出来上がった感じがしました」と撮影時に苦労したことを明かした。
菅田将暉「迫力がありました」
共演したお互いの印象を聞かれると、菅田は「迫力がありました。大先輩だからというのもあるかもしれないんですけど、もし同世代だったとしても“うわぁ!”ってビックリするぐらいの迫力というか、人間としてのパワーを感じました」と答えた。
一方、原田は「現場ではお互いを役として見ていて、そこから一歩も出てなくて、休憩の時も『元気?』なんて軽い会話ができる状態ではなかったんです。だから、菅田さんがみんなをギュッとまとめられる大きさのある人だということをキャンペーンをやっている時に気づいたんです。「いい人だなぁ。良かった、この人と仕事して」って(笑)」と撮影時ではなく、キャンペーンで菅田の違う一面を知ったと明かした。それを聞いて菅田は「良かったです。『いい人』って言ってもらえて(笑)」と笑顔を見せた。
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