俳優・創作あーちすとののんが9月10日、都内で行われた映画「さかなのこ」大ヒット御礼舞台あいさつに、メガホンをとった沖田修一監督とともに登壇した
子どもの頃から魚が大好きだったさかなクンが、たくさんの出会いの中でやがて“さかなクン”になるまでを描いた原作「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社)を、劇作家や映画監督でもある前田司郎がフィクションも織り交ぜながら沖田監督とともにシナリオとして大胆にアレンジした本作。のんは主人公でさかなクンの分身でもあるミー坊役を演じた。
のん「何にも影響されない好きを持っていることに勇気づけられた」
イベントでは、事前に本作の公式Twitterで募集した質問に二人が答えることに。本作が自身の演技や創作意欲にどんな刺激や影響を与えたのかと聞かれたのんは「ミー坊は好きなお魚さんを追い求めてお魚博士になる夢に真っすぐ突き進むじゃないですか。その“何にも影響されない好き”を持っているということにすごく勇気づけられましたね」と吐露。
のん自身もミー坊と似たようなところがあるそうで「私も猪突猛進に自分のやりたいことに向かって突き進む傾向にあるので、“ミー坊のように生きていいんだ”って。そういうふうになりたいなって気持ちになりました。かなり背中を押してくれるような役柄だなって感じています」と目を輝かせた。
また、劇中でミー坊がサンマを頭から食べるシーンがあり、実際にさかなクンから「背骨は後ろに伸びているから、頭から食べれば刺さらない』と言われたというのんは「そのシーンで本当に(サンマを頭から)食べているんですけど、ちょっとズルをしていて…。背骨を途中まですごく柔らかくしてもらっていて」と告白。「でも、頭は本当に食べていますし、おいしくてバクバク食べていたら背骨の硬いところまでいっちゃって、食べてみたんですけど割といけました」と胸を張った。
沖田監督は「酔っ払いの師匠」
さらに、ミー坊が酔って居酒屋の店員に絡むシーンが話題にのぼると、のんは「あのシーンはすごく好きです。あのシーンは、私がセッティングを待っていたときに沖田監督が目の前に来てくれて『どんな感じなんですかね』って言ったら、酔っ払いの演技を目の前でやってくれたんです」と打ち明け、「それがすごく面白くてまねしました。(酔っ払いの演技は)沖田監督のまねです。(沖田監督は)酔っ払いの師匠です」と笑顔で語った。
◆取材・文=風間直人