福原遥がヒロインを務める連続テレビ小説「舞いあがれ!」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)では、舞(浅田芭路)の五島列島での新たな日常がスタート。10月6日に放送された第4回では、それぞれの立場から舞を気遣う母・めぐみ(永作博美)と祥子(高畑淳子)の思いが丁寧に描かれ、見る者の心をふるわせた。
舞、母・めぐみとともに五島列島へ
同作は、1990年代から現代を舞台に、ヒロイン・舞がものづくりの町・東大阪と自然豊かな五島列島でさまざまな人との絆を育みながら夢に向かっていく姿を描く。ドラマ「心の傷を癒すということ」(2020年)で阪神・淡路大震災後の“心の絆”をていねいに描き注目を集めた脚本家・桑原亮子氏によるオリジナル作品。
第1週「お母ちゃんとわたし」では、原因不明の発熱のため医師に「環境を変えては?」と提案され、母とともに祖母・祥子のもとに身を寄せた小学校3年生の舞の日々が描かれている。
会話する後ろで、祥子は…
近所の少年・一太(野原壱太)とも仲良くなり、順調にスタートしたかに見えた舞の島暮らし。だが疲れが出たのか、翌日にはまた熱を出してしまった。注目したいのは、舞の往診に来た地域の医師・谷(前川清)とめぐみが会話するシーンだ。
大阪の病院で検査を受けても異常は見つからない、と話すめぐみ。谷は「そっで、ストレスは?」。めぐみは「えっ?」と聞き返し、奥でお茶をいれていた祥子は動きを止めて視線を上げた。
「体に問題のなかとやったら、心の問題もしれんね」という谷に、「はっきりわからんのですよ…」とあいまいにほほ笑むめぐみ。何気ないシーンだが、舞の心の問題の可能性まで考えていなかっためぐみのかすかな焦りと、そんなめぐみに内心気をもむ祥子の対比が妙に心に残る。そして別室には、「元気にならな、帰られへんのに…」と自分を追い詰めるような舞の姿がある。