三池崇史監督が手掛ける韓国ドラマ「今回はまだ序章なんです」<コネクト(原題)>
三池崇史監督がメガホンを取った韓国ドラマ「コネクト(原題)」が、「第27回釜山国際映画祭」に招待され、配信に先駆けて上映された。10月7日に行われたオンライン記者会見に、三池監督とキャストのチョン・ヘイン、コ・ギョンピョ、キム・へジュンが登壇。撮影の様子や作品への思いなどを語った。
「コネクト(原題)」は、連続殺人犯と、自分の人生を取り戻すことを決意した男の戦いを描くクライムファンタジースリラー。自己治癒能力を持ちながら、連続殺人犯の視力を持つことになったハ・ドンス役を「スノードロップ」などに出演しているチョン・ヘイン、連続殺人犯オ・ジンソプ役を「恋のスケッチ〜応答せよ 1988〜」のコ・ギョンピョ、謎多き女性イラン役を「調査官ク・ギョンイ」のキム・へジュンが演じている。制作は「愛の不時着」などで知られるスタジオドラゴンで、多くのホラー作品を手掛けてきた三池監督とタッグを組むこととなった。
三池「『愛の不時着2』がいいと言ったんですけど」
釜山国際映画祭に作品が招待されたことについて聞かれると、三池監督は「スタジオドラゴンに呼ばれて、『監督をやらないか』と言われました。自分としては『愛の不時着2』がいいと言ったんですけど、『それは君の仕事ではない』と言われて、『コネクト』に取り掛かりました。その時はまさか釜山国際映画祭に招待されるなんて思ってもいませんでしたね。このことと、自分から一番遠いところにあると思っていたディズニーから配信してもらえるということ。この2つはすごく大きな驚きでした」とユーモアを交えながら回答。
チョン・ヘインも「作品が釜山国際映画祭に招待されたことに胸が熱くなっています。コロナの後、オフラインのイベントは久しぶりなので、すごく意味のあることだと思っていますし、記者の皆さんと向き合う時間が持てたことをうれしく思います」と心境を語った。
コ・ギョンピョは「昨日、舞台あいさつがあって、お客さんの反応を見ていたんですけど、『面白い』という感想を頂けて誇らしく思います」と前日の舞台あいさつを回顧。キム・へジュンも「たくさんの方に初めて見てもらうので非常に緊張しました。でも、すごく期待感も高まっています」と笑顔で答えた。
韓国の俳優&スタッフと「距離はかなり近く感じました」
韓国の俳優とスタッフと仕事をしてみての感想については、三池監督は「OTT(Over The Top)が初めてで、韓国の作品を作るのも初めて。なおかつコロナ禍という状況。ビザの関係で、早く準備に取り掛かりたかったけれどできなくて。ただ、デジタルでつながることによって、すぐに連絡が取り合えたりしたので、距離はかなり近く感じました。ロケハンも助監督に行ってもらって、映像を通じて『その後ろ、どうなってる?』とか話したり、『ああしよう。こうしよう』って打ち合わせもそういう形で進めていきました。キャストとの打ち合わせも、チョン・ヘインが『何があっても監督の味方ですから、思うようにやってください』と言ってくれて、そのおかげもあってスムーズに撮影ができました。むしろ、日本でやっているよりもスムーズだったかも」と初めてのことが多い中で、順調に制作をするめることができたと語った。
言葉の違いについても、「俳優とのコミュニケーションは第三者、通訳の方がいますけど、私たちがやるべきことは台本に書いてありますから。それをどう解釈するか、です。微妙な解釈の違いは作品の幅を広げることにもなりますし、運命的な出会いで奇跡的に生まれた作品になったと思います」と自信をうかがわせた。
KADOKAWA / 角川書店