コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回ピックアップしたのは、漫画家のちづはるかさんがSNSに投稿した作品『おしりの大きいヘンテコな命が来たせいで家族と仲直り出来た話』だ。同作に登場する不思議な生物“ねむた”の可愛らしいキャラと感動的なストーリーが人気を集め、Twitterの投稿には6.4万を超えるいいねが寄せられた。この記事では、作者のちづはるかさんにインタビューを行い、同作が誕生した背景を聞いた。
祖父の家に住む謎の生物“ねむた”。厳格な祖父が“ねむた”には優しい理由とは
幼い頃に両親を亡くし、田舎で祖父に育てられた亜樹子。小説家を志す亜樹子は帰郷したときに、家には祖父とともに小さな謎の生物・ねむたが住んでいることを知る。厳しい祖父は亜樹子の夢を「物書きじゃ食っていけんやろ」と否定する一方で、なぜかねむたにはとても優しく接していた。「結婚するか安定した職につけ」と言う祖父と亜樹子は強く対立するが、ねむたが起こしたトラブルのおかげで祖父がどれほど亜樹子を可愛がっていたのかに気が付き……。
同作品は厳しい中にも優しさがある祖父と可愛らしいねむたの影響で、“小説を書きたい自分”と向き合っていく亜樹子の様子が丁寧に描かれている。SNS上では、「めちゃくちゃいい話だった。こういうの弱いから涙が止まらない...」といった反響が続出。大きな愛情を持ちながらも不器用な祖父に、自分の思い出を重ねる人も多かったようだ。ちなみに同作は小学館のアプリ「マンガワン」の賞レース“新・月例賞”を受賞しており、掲載時のタイトルは『ちいさきいのちの通り道』になっている。
“物語はいつもそばに……” 創作仲間たちに届けたい言葉
――『おしりの大きいヘンテコな命が来たせいで家族と仲直り出来た話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
最初「ねむた」というヘンテコで小さい生き物と男子の連載漫画を描きたいと思っていて、まずはキャラクター紹介のつもりで読み切りを描こうと思い執筆しました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
ねむたの丸いフォルムです! あとは田舎が舞台なので、古い家や自然物はこだわって描きました。
――“ヘンテコな命”にあたる生物の外見はとても独特なのにも関わらず愛くるしさもある印象ですが、どのようなところから着想を得たのでしょうか?
以前住んでいた家の家鳴りが酷くそれが怖かったので、こんな太って可愛い小人が昼寝して寝ぼけて屋根から落ちてしまった音だったらいいのに... と想像していたことから生まれたキャラクターです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
シーンは3つあります。1つ目は、ねむたがたくさんの動物たちと仲良くしているシーン(動物を見る
のも描くのも好きなので)。2つ目は、亜樹子が昔の夢を見てから醒めるシーン(亜樹子の小さいときの幸福な時間と現実の差を表現するのが難しかったけど楽しかったので)。最後は、雪の降る中一心不乱に原稿を書くシーン(画面を描くのが楽しかったので)です。また台詞は「言葉は、物語はいつでもそばにいて、私を救ってくれた」です。創作物が好きな人に共感して頂けたらいいなと思ったので。
――世の中にはツチノコやカッパなど未確認生命体といわれる生物がいると噂されることもありますが、同作のような人間の想像を超える生き物は存在すると思いますか?
個人的にはいたら楽しいと思います! 妖精など可愛い生物はたくさんいて欲しいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
連載漫画を執筆してコミックスを出してもらえるように頑張りたいです!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
漫画を読んで下さってありがとうございます。これからも少しでも楽しんで頂けるような作品が描けるように精進していくので、応援して頂けたら嬉しいです!
ねむたシリーズは他にも『【創作】ばあちゃん家に行ったら変な小人が住み付いていた( ;;)』や『【創作】春分の日ねむた漫画』などがあり、pixivで公開中。気になる人は、ぜひをチェックしてみてほしい。