お笑いコンビのロッチが、DVD「ロッチ単独ライブ『すってんこロッチ』」(Contents League)を10月26日に発売した。本作は、6月24日・25日に東京・北沢タウンホールで行われた単独ライブを収録した作品で、足のけがにより「時間が余っていた」中岡創一が初めて全コントの“原案”を担当し、脚本・演出はコカドケンタロウが務めている。「ホームラン」「ロレックス」「ギャンブラー」「チャンピオン」など、全て新ネタで構成された同ライブについ、二人に話を聞いた。
「ボーッとする時間があった」中岡創一のアイデアからコントに
――今回のDVDに収録されている単独ライブは、中岡さんが原案を担当されたということですが?
コカド:はい。3月に中岡くんが足を骨折しまして、治療のために家にいる時間があるということで、アイデアを出してもらった感じです。
中岡:うん。家にいて、ボーッとする時間があったのは確かです(笑)。
コカド:っていうか、コントの“原案”って何?って思いますよね。野球を題材にした「ホームラン」というネタが入っているんですけど、これは中岡くんの家で作りました。足骨折していて、外に出るのも大変やろうなと思って行ったわけです。そしたら、ちょうど千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手が投げる日で、中岡くんは野球が好きやから「どうしても見たいんやけど。野球見な集中できへん!」って。それで、テレビで試合を見ていたところからこのネタができたんです。そしたら、中岡くんが「俺が野球見たいって言ったところからネタができたので、“原案”は俺だ」と。
――ネタが生まれるきっかけを作ったということですか?
コカド:そうなんです(笑)。
――佐々木投手は完全試合を達成したり、注目度が高かったので野球を見たいという気持ちも分かりますけど。
中岡:ですよね! その日は完全試合をした次の登板日で、終盤で降板しましたけど、それまでパーフェクトを続けていた試合なんです。これはリアルタイムで見ておいて良かった!
コカド:僕らの“原案”っていうのはそんな感じです(笑)。
中岡:「ロレックス」のネタも、「最近、ロレックスが高くなっているらしいで」って話をしたので、僕が原案です。ロレックスの値段が上がっているっていうニュースなんて見逃しがちじゃないですか。でも、そういうことを拾って伝えることでネタが生まれましたから。
コカド:中岡くんは20歳の時に実際にロレックスを買っているんです。僕はその買い物に付き添いで行きましたから。それを今も持っているので、コントで中岡くんのロレックスを使えばええやんって思ったんですけど、ライブ前日に「俺のロレックス、使いたくない」って言い出して。「誰かに盗まれるかもしれない」って(笑)。
中岡:いやいやいや、それは言い方が悪いわ。「盗まれるかもしれない」やなくて、「紛失した時に誰かのせいにしたくない」って言うたんです。ライブって意外といろいろなくなるんですよ。
中岡創一の“原案”は「見たり聞いたりしたものを言う」
――そういった“きっかけ作り”があって、今回のネタが生まれていったわけですね。
コカド:はい。ドラマとかでもそうですけど、原作とか脚本とかは分かりますけど、“原案”っていうクレジットを見たら“それって何?”って思いますよね。なので、僕らなりの“原案”の定義を勝手に作りました。中岡くんの“原案”は、何かを考えたというより、“見たり聞いたりしたものを言う”ってことです(笑)。
中岡:「チャンピオン」は、ボクシングの村田諒太選手とゴロフキン選手の対戦がきっかけになりました。ゴロフキン選手が勝ったんですけど、負けた村田選手のことを異常に称えていて、“異常に称えるんや”って話したのがネタになっています。
コカド:「ギャンブラー」もそうやったね。二人でNHKの番組を見ていた時に、“かかとを壁に着けて立った状態から床にあるものを拾えない”とか、そういう内容のことをやっていたんです。
中岡:それを見て、「これ、やろう」って僕が言いました。
――元々知っていたんですか?
コカド:今言った“かかとを着けて”というのは知らなかったです。実際にやってみたらホンマに取れなくて、これは面白いなぁって。“ハンガーを頭に付けると横向いてしまう”っていうのは知っていました。小学生の頃、すごくはやっていたんです。
――一つ前の単独ライブ「モモイロッチ」は、タイトルに掛けて全てのコントの中に何かしら“ピンク”を使っていました。今回のライブでは何かテーマなどがありましたか?
コカド:テーマとかは決めずに、とりあえず自分たちがやりたいネタを作っていくという感じです。テーマを決めるとか、一本筋を通すとか、僕らはそういうのが得意じゃないのかな。テーマじゃないですけど、今回はイラストレーターさんにDVDのパッケージにもなっているイラストを描いてもらったんです。このイラストが会場のロビーにも飾ってあったり、舞台の壁の色をこれに合わせてみたりしたので、会場の雰囲気は何かしら統一感があったかなって思います。