ハロウィーンに向けて、マーベル・スタジオが新しく制作した単発作品「マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ウェアウルフ・バイ・ナイト」。同作は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)でおなじみのスーパーヒーローたちが活躍する表の世界とは別に、モンスターと彼らを倒すハンターが住む“闇の世界”を舞台にした物語。MCU初のホラー作品で、大半がモノクロ映像となり、「魔人ドラキュラ」「フランケンシュタイン」「狼男」などの古典モンスター映画へのオマージュもたっぷりと感じられるが、腕を切り落としたり、グロテスクな描写のシーンもあり、視聴年齢制限(R15)がかかった作品でもある。今回はそんな本作で主演を務めるメキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナルについて紹介する。
「キャシアン・アンドー」主演のディエゴ・ルナとは親友
主人公のジャック・ラッセルを演じているガエル・ガルシア・ベルナルは、1978年にメキシコ第2の都市・グアダラハラで生まれ、幼少の頃から子役として活動するなど、芸歴は長い。本作と同じディズニープラスオリジナルドラマ「キャシアン・アンドー」(「スター・ウォーズ」シリーズ)の主演を務めるディエゴ・ルナとは幼なじみという間柄だ。
メキシコの名門・国立自治大学で哲学を学んだ後、イギリスの伝統ある演劇学校「セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ」にメキシコ人として初めて合格。この学校は多くの著名な俳優を輩出しており、キット・ハリントン(「ゲーム・オブ・スローンズ」ほか)、ジュリー・クリスティ(「ハリー・ポッター」シリーズほか)、ジュディ・デンチ(「恋におちたシェイクスピア」ほか)、「スター・ウォーズ」シリーズでレイア姫を演じたキャリー・フィッシャーら枚挙にいとまがないほど。
彼が日本で知られるようになったのは2000年。出演したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の初映画「アモーレス・ペロス」が、カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを獲得し、「東京国際映画祭」でもグランプリを受賞したことで注目されるようになった。
その影響もあって、2001年に公開された映画「天国の口、終りの楽園。」は日本でも大きな話題に。同作は少年期の終わりを迎える若者たちの姿を描いたロードムービーで、親友のディエゴ・ルナと共に主演を務め、「ヴェネツィア国際映画祭」で“マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を二人そろって受賞した。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」で若きチェ・ゲバラに
幼い頃から演技をしていたこともあって、表現力、演技力の高さは経験に基づいたものであり、作品ごとに評価が高まっていった。2004年に公開された「モーターサイクル・ダイアリーズ」では、若き日のチェ・ゲバラを演じ、日本の映画ファンの記憶に彼の存在を深く刻み込んだ。2006年には菊地凛子が米・アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされた「バベル」にも出演。
ペドロ・アルモドバル監督の「バッド・エデュケーション」、ミシェル・ゴンドリー監督の「恋愛睡眠のすすめ」、フェルナンド・メイレレス監督の「ブラインドネス」、最近ではM.ナイト・シャマラン監督の「オールド」など、こだわりの強い個性派監督たちからも寵愛されているのは、やはり彼の“演技力”によるものだろう。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/movies/werewolf-by-night/
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