「スター・ウォーズ」シリーズオリジナルドラマ第4弾となる「キャシアン・アンドー」。本作は「スター・ウォーズ アンソロジー・シリーズ」の第1弾として2016年に公開された「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」で、冷静沈着な情報将校として命懸けのミッションに挑んだキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ/日本語版の声:加瀬康之)が主人公。全12話の後半戦への入り口となる10月19日に配信された第7話では、惑星アルダーニでの“反逆行為”が全星系に知れ渡った後のキャシアンと、彼のせいで失職した青年シリル・カーン(カイル・ソーラー)、帝国保安局のデドラ(デニース・ゴフ)、そして反乱軍のモン・モスマ(ジェネビーブ・オライリー)らの様子が描かれ、秘密裏に動いている反乱軍の姿が少しずつ見えてきた。(以下、ネタバレを含みます)
同作は帝国軍が銀河を支配する暗黒の時代を舞台に、「スター・ウォーズ」の世界において、常に要となる存在だった反乱軍の誕生を描く物語。毎週水曜にディズニープラスで独占配信されている。
惑星アルダーニでの反逆行為が全星系でニュースに
反乱軍のルーセン・レイエル(ステラン・スカルスガルド)に雇われ、惑星アルダーニでの反逆行為に加わったキャシアン。キャシアンとリーダーのヴェル(フェイ・マーセイ)らは、犠牲を払いながらも帝国軍から8000万クレジット(約8000万ドル)を盗むことに成功した。だが、キャシアンはすぐにギャランティの2000万クレジットを受け取って、チームから離脱。その後の反乱軍の活動にも加わらず、ルーセンと再会することもなく、一人旅立った。
その頃、フェリックスでキャシアンを取り逃した元捜査官・シリルは、母親の言いつけ通りに再就職しようとしていた。勤め先は「標準局」。帝国軍の言うことを守ってさえいれば、死ぬまで生きることに事欠かない場所だという。だが個性を殺し、自由とは程遠い生活を強いられることになる。それでも母親と暮らすシリルは、どこか諦めの境地を感じさせつつ標準局に就職することにする。
一方、帝国保安局のデドラは、アルダーニでの反逆行為を受けて忙しくしていた。保安局はアルダーニの原住民も共謀していると見なして134人を捕らえ、「容赦なき報復」までのカウントダウンを開始。監視、捜索、逮捕を保安局が独断で行えるようにし、全支配下で締め付けを強化する法案が翌日にでも通る予定だ。だが、デボラはこの法案はさらなる反乱分子を生み出す危険なものになるのではないかと危惧しつつ、以前より行っていた帝国軍基地や修理施設での紛失物の調査を秘密裏に進める。
実はデドラの予想は、的中していた。反逆行為の発案者であるルーセンは、この作戦後に帝国が厳しい処置を行うことを見越していた。人間はゆっくり締め付けられると慣れてしまうが、急に締め付けられると反発心を抱くもの。だから、強い締め付けを誘発する事件を起こしたのだ。あまりにも過激な行為ゆえに反乱軍のモン・モスマはルーセンを責めるが、原因の一端が自分にあるため、強くは言えない。モン・モスマは帝国の議員を隠れ蓑に反乱軍の活動資金を作り出していたが、監視の目が強まったことで思うようにお金を動かせなくなっていたのだ。そこで旧友の銀行家を頼って、新たな活路を見いだそうとする。
大金を得て気ままに生きようとするキャシアンだったが…
力で人々を支配しようとする帝国軍と、秘密裏に動く反乱分子たち。そして、何の疑問も不満も抱かずに生きてきたが、息苦しさを感じるようになってきた青年。3つの層が見えてきたが、そんな中でキャシアンは、いずれにも属せず、好きに生きようとする。
ゲットした2000万クレジットを手に、フェリックスに戻ったキャシアンは育ての親であるマ―ヴァ(フィオナ・ショー)を連れて、帝国の支配下になったフェリックスから逃げようとするも、夫を帝国軍に殺されたこの地で意思表示をしていくと断られてしまう。結局、お尋ね者のキャシアンはフェリックスに留まるわけにいかず、ビーチの美しい街に逃げ、またも自堕落な生活をしていた。しかし、ストームトルーパーから逃げる一軍に巻き込まれたことで一緒に逮捕され、理不尽にも6年もの刑を課せられてしまう。
第7話終盤の急展開に驚きを隠せないが、どうやら第8話は不当に逮捕されたキャシアンの刑務所生活にフォーカスが当たりそうだ。理不尽で不公平な社会への不満が爆発する日は、そう遠くはないだろう。その中でどうやって反乱軍に合流するのか。そして、標準局で己を殺して息を潜めるシリル・カーンが、どちら側に転ぶのかも気になるところだ。
◆文=及川静
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/star-wars-andor/
▼ ディズニープラス特集ページはこちら
Happinet