“当て書き”のキャラクターに「不思議な感覚を味わった」
――メンディーさんはかつて体育の先生を目指されていたそうですが、今回、実際に教師役を演じてみていかがでしたか?
メンディー:大地大輔という役は、おさむさん曰く「当て書き」らしいんですよ。おさむさんは、僕が普段ブログやラジオなどで発信していることをかなり拾ってくださったようで。だから、大地大輔が劇中で話す内容や生徒に掛ける言葉は、僕の考えとすごく似ているんですよね。そういった背景もあって今回、大輔を演じていて、「もし自分がダンスに出会わず教職の道に進んでいたら、きっとこうなっていたのかも」と、パラレルワールドの中のもう一人の自分を生きているような不思議な感覚を味わいました。
――今作でお二人はプロレスラー役を演じています。役作りの上で、どのような準備をされましたか?
メンディー:撮影の3カ月くらい前から、プロレス団体「DDT」さんの道場に通わせていただきました。練習は朝早い時間からやることが多く、眠たい目をこすりながら受け身の練習をして目を覚ましたのをよく覚えています(笑)。当然ながら、僕も海青もプロレスをしたことがなかったので、基礎の基礎から学び、新人レスラーさんがやるようなメニューをこなす中で、プロレスの動きを少しずつ身に付けてきました。
DDTの皆さんはすごく熱心で、褒め上手で。僕らもどんどん乗せられて、次第に「プロレスシーンの一部をスタントとかで他の人にやってもらうのは嫌だな」と思うようになり、「ここまでやったんだったら、どうせなら全部自分たちでやりたいよね」という話になったんです。
プロレス撮影での苦労…疲労からギックリ腰も
――では、プロレスシーンはすべてメンディーさんと武知さんが演じていると。
メンディー:はい。スタントなしですべて自分たちでやりました。なので、これから日本のトム・クルーズって名乗ろうかなと思っています(笑)。
――なるほど(笑)。でも、身体に負担がかかるハードな撮影の連続で、大変だったのではないでしょうか?
メンディー:僕は大丈夫でした。海青は何かあった?
武知:撮影期間中にライブや舞台公演が重なり、疲労が限界にきてギックリ腰になってしまいました。だけど、王者ってどんな怪我でも隠してリングに上がるものじゃないですか。今思えばそのマインドに入っていたからだと思うんですけど、撮影が始まると、その瞬間にアドレナリンが出ていたからなのか、自分がぎっくり腰だっていうことを忘れて、ガンガンにドロップキックを蹴ったりしていました(笑)。あれは自分でもびっくりしましたね。
――プロレスとダンスは、体を動かすという点で共通していますが、プロレスのシーンにおいてダンスの経験が活きたと感じたことはありましたか?
メンディー:DDTの皆さんには「飲み込みが早い」と褒めていただきました。具体的には、手本で見せたプロレスの技を再現するのが早いと言ってもらえて。そういった意味では、目で見た振り付けを覚えるダンスでの経験が活きたと言えるのかもしれません。
武知:僕もメンディーさんと同意見です。お芝居に台本があるように、技にも台本があったので、振り付けを覚えるように右手を出したら左足を出して…といった感じで、ダンスに置き換えて頭と身体にインプットしていました。
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