俳優の磯村勇斗が10月31日、都内で行われた映画「PLAN 75」のロングラン上映御礼舞台あいさつに早川千絵監督と共に出席。作品の反響に感謝し、改めて作品を振り返った。
映画「プラン 75」とは
本作は、超高齢化社会に対応すべく75歳以上が自ら生死を選択できる制度「プラン 75」が施行され、その制度に大きく翻弄される人々の姿を描いた衝撃作。興行収入は3.3億円を突破し、公開から5ヵ月経った現在も全国でロングラン上映を続けている。また、30ヵ国以上で映画祭への出品や劇場公開も決定。第95回米国アカデミー賞(R)国際長編映画賞部門の日本代表に選出されており、世界中から大きな注目を集めている。
周りからの反響について磯村は「身近なところですと、自分が関わっている現場のスタッフさんたちが観てくださる方が多い」と明かし「中には(主演の)倍賞(千恵子)さんと同じくらいの世代の方もいて『自分のこれからを考えてしまった』という意見や『怖い』という言葉も聞きました」と告白。「この作品を観れてよかった」という感想を持つ人がとても多かったとも話し「うれしいなと思います」と噛み締めた。
磯村、カメラマンと距離を縮めより洗礼された演技へ
早川監督は「台湾でも公開が始まっているんですけど、台湾の磯村さんのファンの方たちが劇場を貸し切って特別上映会をされたということを聞きました」と報告。それを受けて磯村は「貸し切れるんですね? 映画館って!」と驚き「うれしいですね」と喜んだ。MCから「貸し切りのところに磯村さんが現れたら大騒ぎになるのでは?」と聞かれると、磯村は「そうですね。台湾にも足を運んで、もしサプライズみたいなことができるならしたいです」と笑顔を見せた。
また、磯村は本作のカメラマン・浦田秀穂氏について「現場ではそんなに多くお話するタイミングはなかったんですけど、僕が一方的に浦田さんのことを好きで」と告白。画作りや現場での姿勢、アイディアのチョイスなどに惚れたと話し「終わった後、浦田さんに『連絡先を教えてください』って言って交換したんですよ」と明かした。続けて磯村は「その後2人でデートして(笑)」と浦田氏と食事に行ったと笑顔で報告。「人としてもカメラマンさんとしてもすごく魅力的な方なんです」と熱く語った。
食事では深い話ができたそうで、磯村は「カメラの画角の中でどう俳優が表現するとカメラマンはうれしいか? カメラマンと呼吸をどう合わせるか? みたいな深いところまでお話してくださいました」と回顧。海外の俳優がカメラの前で意識していることなども聞けたと話し「すごく勉強になりました。良い時間でしたね」としみじみ語った。
最後に磯村は「本当にこの作品に携われて得るものが多かったです」と改めて口にし「社会にとっても映画館にとっても希望のある作品になったんじゃないかなと思っております」と言葉に力を込めた。
◆取材・文=山田果奈映